遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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千葉家の信仰

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千葉家は、六神石神社の元宮司である千葉氏と同族であるようで、源頼朝が奥州攻略の際、頼朝の参謀を務めた千葉常胤の流れを汲むものであると伝えられる。その千葉氏は妙見信仰を崇敬している為か、六神石神社の神紋にも九曜紋が使用されている。
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代表的な千葉氏の家紋は月星だ。画像の様に、月と星が加わった紋を使用しているが、それ以外にも多様なデザインが、千葉氏の中で採用されている。
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ところが千葉家の家紋は、三ツ星が使用されている。三ツ星は渡辺氏を代表として松浦氏なども家紋が三ツ星であるが、それはオリオンの真中に連なる三ツ星であるという。その三ツ星家紋が何故か調べても、他の千葉氏での使用例を見つける事が出来ない。妙見を信仰する千葉氏がオリオンの三ツ星を信仰するとは妙な話である。
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オリオンはカラスキ星とも呼ばれ、その中で三つに連なる星を一般的に三ツ星という。しかし妙見信仰は、北斗七星か北極星に対する信仰で、オリオンの三ツ星とはならない。この千葉家の家紋である三ツ星家紋は、果たしてオリオンの三ツ星を意味しているのだろうか?
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千葉家の庭を探索すると、家紋が彫られた箱型の木が、石灯籠を形成していた。どうやら家紋は二つあるみたいで、三ツ星と月星であるよう。その手前には陶器造りの兎の置物があるが、月を意味しているのだろうか?
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千葉家内の他の場所にも、その二つの家紋が並んで示されていた。恐らく、表と裏の家紋を示しているものか。謡曲「金輪」の九曜七星というものは、火星(熒惑星)・水星(辰星)・金星(太白星)・木星(歳星)・土星(鎮星)の五星に太陽を加えたものを七曜星で、これに羅睺星(日蝕)計都星(彗星)を足して九曜とする。しかし三ツ星を三曜とは表現しない。それではやはり、千葉家の三ツ星はオリオンの三ツ星を意味しているのだろうか?
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千葉家の庭には、絶え間なく流れるカドがあった。恐らく旧家であるから、若水汲みの行事も行われていたと思う。遠野市での正月に行われる若水汲みは、主人もしくは嫡男が斎戒沐浴し、年の暮に新調した手桶に年縄を張り、カドの水神に御幣を奉げて拝み「新玉や年の初めの年男、むかいて参る谷の若水。」と三唱して若水を汲む。汲んだ若水は臼を伏せて注連縄を張った上に、桶ごと載せて歳神にあげてから使う事になっている。若水汲みは月の変若水の信仰が入り込んでいる為、ある意味これも星の信仰の一つでもあろう。月星の家紋を持つ千葉家であるから、当然の事か。
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野尻抱影「日本の星」を読むと「四三の星(しそうのほし)」というものがあった。これは北斗七星が枡の四つ星と柄の三ツ星を分けて表現している言葉であったが、これはつまり北斗七星の別称でもある。どうやら平安時代まで遡る事の出来るこの別称は、熊野那智大社でも使用されていたようである。
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支那国では柄杓の器の部分を作る四つ星は魁と呼ばれる「天枢、天璇、天璣、天権」で構成されており、柄の部分の三ツ星は杓と呼び「玉衝、開陽、揺光」の3つで構成されている。しかし、それとは別に日本では順に「貪狼星、巨門星、禄存星、文曲星、廉貞星、武曲星、破軍星」と七つの各星々の名が付けられている。

北のほしやあづまの旅に出る人をいのる光は空に見ゆらん

歌にも詠われる北斗七星は、北に輝く存在。オリオンの三ツ星は、昇って沈む星でもあり、冬を象徴する星でもある為に不変では無い。しかし、北斗七星は見えなくなれば異変が起きるとの迷信もあるのは、いつも変わらず北に鎮座しているからである。その中で、柄の先端である破軍星は「破軍星明かなければ大麦小麦豊作」や、北斗の魁の間に黒雲有ればその夜に雨降るというのは、柄の部分に黒雲がかかった場合をいう。また破軍星の差す方角を不吉とする信仰もある事から、全体の七つ星の中で柄の部分の三ツ星は、かなり星占いに関して重要な星でもあるようだ。
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また千葉家の敷地内には、稲荷社があり、その御神体は大岩であるよう。またこの千葉家には、三つの沢が流れており、水が豊富である事がわかる。これらにより、千葉家の人間は、ここに住む事を決めたのだろう。地上に堕ちた星は磐となった信仰もある事から。また水は月の滴という信仰があり、その月と勾玉を結びつける場合もある。その玉から、水が発生するのだと。千葉家に流れる三つの沢も、月の恵みと捉え考える事も出来る。つまり、この千葉家の敷地全体は星の恩恵の元に建てられた屋敷と捉える事も出来るのだ。

月と星、ならばもう一つ、太陽を加えれば三光信仰が成り立つ。三光信仰は、太陽と月と星の三つの輝きを示すもので、五穀豊穣にも繋がる原初的信仰だ。千葉家の屋敷が建つ高台から見渡す限りが千葉家の土地であったと云う。それは荒地では無く、耕された豊かな農地であったようだ。それをもたらしたのが、太陽・月・星の三光であるならば、表家紋である三ツ星は、そのまま三光信仰を象徴するものであり、北極星と月を象った、本来の千葉一族の月星の家紋を裏家紋として採用したのではなかろうか。別に対い鶴の家紋も使用していたと聞くが、それは恐らく南部氏の影響を受けてからのものであったろう。
by dostoev | 2013-12-15 20:38 | 民俗学雑記
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