遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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カテゴリ:お雛様と瀬織津比咩( 2 )

お雛様と瀬織津比咩(其の二)

お雛様と瀬織津比咩(其の二)_f0075075_10421706.jpg
穢祓の五節句に七夕が入っているが、七夕伝説の古くは古代中国での牽牛と織女が年に一度、天の川で逢瀬の話が広く知れ渡っている。それが日本神話においては、天安河で武装した天照大神と素戔男尊との対峙が原初となるだろう。ただ、その天照大神の武装した姿に違和感を覚える。何故なら「日本書紀(神功皇后記)」を確認してみると「和魂は王身に服ひて壽命を守らむ。荒魂は先鋒として師船を導かむ」とある。また別に「荒魂を撝ぎたまひて、軍の先鋒とし、和魂を請ぎて、王船の鎮としたまふ。」事から実際、率先して戦に参加しているのは天照大神荒魂だけであり、和魂である天照大神は皇族を護る為に、その場を動く事が無い存在となっている。また七夕の習俗に、藁の馬を作り、翌日には川へと流すものがあるが、その藁の馬は水神を乗せる為のものである。つまり七夕は星祭でありながら、水神の祭りでもある。ところが天安河で素戔男尊を対峙したのは、太陽神である天照大神というのは理に適わない。これまでに神社関連の本をいくつか読んできたが、天照大神の"荒魂"部分が省かれ、天照大神の行動であるかのようなものが、かなりある。初めに立ち返るが、五節句の根底は、水による穢祓の思想である。天安河で素戔男尊に対峙した武装した天照大神とは本来、天照大神荒魂でなくてはならない。何故なら、天照大神荒魂こそ、武神でもあり水神であり穢祓の神であるからだ。

雛祭りの雛段に飾られる人形が、男雛と女雛を主体とし、その下に五人囃子と三人官女が加えられるのだが、天照大神と素戔男尊の誓約の場面を思い起こすと、五柱の男神と宗像三女神が意図的に置き換えられたように思えてしまう。
お雛様と瀬織津比咩(其の二)_f0075075_10413970.jpg
雛人形の源流が、男雛と女雛の一対である事は、先に記した。その雛人形に求められたのは、穢祓の思想である。「雛」とは、可愛いものでもあり、小さなものでもあるが、この場合は人間に模した形代であり依代であろう。自らに憑いた穢を形代に移して、川へと流す。ここに「大祓祝詞」の世界観が実践されているものと思える。「大祓祝詞」では、国内の穢れを瀬織津比咩が川から海へと流し、速秋津比売が受取り、最後には根の底へと速佐須良姫が導き、罪や穢れを無くすと云うもの。山中他界とも云い、また海の果ては常世の国とも云われる。地上である人間の住む世界を離れれば、その先にあるのはニライカナイか、根の国か黄泉国か。地上に住む人間にとって、高山も海も他界であった。その境界に位置し、人間の罪や穢れを受け祓う神が瀬織津比咩である。この境界に立つ女神として象徴的なのは、琵琶湖畔の桜谷における伝承であろう。琵琶湖の下もまた異界であり、俵藤太が竜宮へと引き込まれた舞台でもある。その琵琶湖畔にある桜谷には、黄泉国に引き込まれそうになる地として知られていた。そこに祀られていたのは瀬織津比咩であり、後に佐久那太理明神として佐久奈度神社に祀られたのはまさに、この世とあの世の境界に立ち、穢祓を行う女神でもあったからだ。

艮(丑寅)の方位は東北であり、また、あの世とこの世の境界でもある。朝廷の地からの艮とは、陸奥国であり、今の東北である。鬼は角が生えており、虎皮のパンツを履くのは、この艮(丑寅)の思想から来ている。艮とは、あの世との境界であるから、鬼が現れるのだ。鬼の思想は仏教からきているものだろう。穢れの黄泉国を、仏教の地獄に置き換えれば、地獄の鬼が出現する艮という方位は、穢れの方位でもある。だからこそ、穢祓の神が必要な場所でもある。養老年間に室根山に瀬織津比咩が運ばれたのは、鬼を平定する為であったと云われるが、別の意味では穢れた地の浄化の為であったと思う。そしていつしか瀬織津比咩は、早池峯山にも祀られた。始閣藤蔵が早池峯の神へ、金が採れたらお宮を建てると祈願したのは、すでに早池峯に瀬織津比咩が祀られていたのであろう。早池峯神社の創始は始閣藤蔵から始まったとされるが、それ以前に早池峯には瀬織津比咩が鎮座していたのだろう。

「早池峯山妙泉寺世代年表」において延長年中(923年~931年)に「本宮・后宮修理」と記されている。后宮とは女神であろうから、これは瀬織津比咩の事を示しているのだろう。では本宮には、なんという男神が祀られていたのか?という疑問が生じる。これは仮説になるが、神仏習合時代が始まり薬師如来の垂迹とされた神とは素戔男尊であった。御存知、早池峯山の出前には薬師岳があり、薬師信仰があったものと誰もが思っている。神仏習合時代になり水神である瀬織津比咩は、水の気の深い十一面観音と習合し、瀬織津比咩の本地は十一面観音とされ、それが今でも続いている。薬師如来の本地は妙見神とも云われるが、原初的な神が仏教と習合された時、素戔男尊の本地が薬師如来とされたのは、かなり興味深い事だと思える。今の早池峯信仰は、手前の薬師岳を含めての早池峯信仰となる事を思えば、瀬織津比咩と素戔男尊の組み合わせこそ、まさに穢祓信仰の原初となるであろう。
お雛様と瀬織津比咩(其の二)_f0075075_10412591.jpg
「遠野物語」で有名になったオシラサマであるが、その原初は娘と馬の一対であったとされる。これは「大祓祝詞」によれば「畜犯せる罪」にあたるものである。伊弉諾と伊弉弥は「近親婚の罪」であり、いずれも"一対"でなくては犯す事の出来ぬ罪である。オシラサマもそうだが、人間の穢れを代りに受け、それをオシラ遊ばせにより祓われるものである。着せ替え人形という子供の玩具があるが、これは着せ替えをして楽しむと云うもの。しかしオシラサマの場合、着せ替えではなく重ね着をしている。それはつまり、常に人の罪や穢れを受けている状態であるという事。何故それが出来るかと言えば、オシラサマが人間を超越した神であるからだろう。神とは、人間の背負いきれない罪や穢れを、簡単に背負う事の出来る存在。そして、人がどうしても祓う事の出来ぬものを、いとも簡単に祓う事の出来る存在。その組み合わせがまさに、瀬織津比咩と素戔男尊の組み合わせだと思えるのである。「大祓祝詞」に登場する根の国底の国に坐す速佐須良姫とは、須世理姫であると云われる。素戔男尊の異称に"建速須佐之男命"というものがあり、これは速佐須良姫と同根であるとされる。根の国・底の国に住む女神とは神話上では須世理姫しかいない事からも、恐らく瀬織津比咩が人間の罪や穢れを川から海を経由して根の国底の国へと流し、全てを無くするという穢祓の思想であろう。つまりこの「大祓祝詞」からも瀬織津比咩とは、黄泉国であり、あの世の境界に坐す存在である事が解る。また「大祓祝詞」には、素戔男尊の行った罪が列挙されているが、逆に言えば素戔男尊こそが人間の罪や穢れを一身に受ける事の出来る存在ではなかろうか。罪や穢れを受け、それを祓う存在が一対の男神と女神とされるのならば、それに最適な組み合わせこそが、瀬織津比咩と素戔男尊の組み合わせであろう。「お雛様と瀬織津比咩(其の一)」に書いた様に、遠野周辺の八坂神社では、素戔男尊と瀬織津比咩の異称が習合されている場合が多い。異質は小友町の八坂神社で、主祭神は応神天皇となっているが、これも恐らく背後には神功皇后がいて、「近親婚の罪」を意図しているものと思われる。ともかく穢祓の思想によって誕生した雛祭りであり雛人形の背景には、人間を超越した力を持つ神が配されたのだろう。その男神と女神のモデルとは、素戔男尊と瀬織津比咩ではなかろうか。

by dostoev | 2018-03-05 11:45 | お雛様と瀬織津比咩

お雛様と瀬織津比咩(其の一)

お雛様と瀬織津比咩(其の一)_f0075075_17100220.jpg
三月三日の雛祭りの日、遠野では約一週間前から「遠野町屋のひなまつり」が開催されていた。それと「流し雛」のイベントは、確か去年から行われるようになった筈。元々の発生は、古代中国の祓いの行事からだった。上巳節という三月初めの巳の日に行われたのはやはり、川と蛇が繋がるからであったろう。禊は身を削ぐ、もしくは身を殺ぐという蛇の脱皮と関連されるように、穢れた古い衣服を脱ぐ、肌に着いた穢れを落として清めるなどの生活習慣に結び付くものと、新たに生まれ変わるという意味も有している。似た様なものに、胎内潜りというものがある。早池峯山頂、もしくは小友町に胎内潜りの大岩があるが、年に一度その大岩を潜ると、生れ変る、もしくは若返るとされている。これは恐らく「諏訪縁起事」での甲賀三郎にも結び付くものと思える。狭い穴を潜るには這って進むのだが、それがまるで蛇を想起させるのだろう。甲賀三郎も狭い洞窟を這って進み、人間から蛇へと生まれ変わった。ともかく禊と蛇、そして水は、密接な繋がりにある。

ところで五節句というものは、禊祓の日でもある。一月七日は人日。三月三日は上巳の節句。五月五日は端午の節句。七月七日の七夕や九月九日の重陽の節句もまた禊祓の日でもある。その他に、六月と十二月の晦日は大祓となり、常に日本人は穢祓を意識していたのが理解できる。これらに加え、古代出雲や宗像で三月会とされていた祭礼は、今では五月に行われる、出雲大社の大祭礼となっている。そのどれも、穢祓の神を必要とする祭であった。
お雛様と瀬織津比咩(其の一)_f0075075_18121870.jpg
雛祭りの原型は、禊祓いからの流し雛であった。そして、斎串を十字に交叉させた祓の呪具に頭部を付け、目鼻を描いた天児や這子が、男雛・女雛一対の雛人形の源流であるようだ。これらから、立ち雛が始まったとされる。祀られる神の原型は、彦神と姫神の一対が普通であった筈だが、その元親でもある伊弉諾と伊弉弥が袂を分かってからなのだろうか、仲睦まじく夫婦神として祀られているのは道祖神くらいではなかろうか?その道祖神もまた人々の穢れを引き受ける存在でもある。村境に建てられ祀られる道祖神は、賽ノ神として、村の穢れを引き受け、また外からの穢れを防ぐ神であもある。一般的に、猿田彦と天鈿女命の夫婦神が道祖神と呼ばれている。しかしその穢れ塞ぐ原初もまた、伊弉諾と伊弉弥から発生している。黄泉国から逃げた伊弉諾は、現世と黄泉国を千曳岩で塞ぐのだが、これが塞ノ神の原型となる。境界とは曖昧なもの。ましてやそれが、この世とあの世との境界であれば、尚更気を付けなければならないだろう。その境界を、古代人はしばしば意識してきた。それは、艮(丑寅)である。艮は方位であり東北を意味するのだが、その意味は「全てのモノの境」であり、空間的に言えば「あの世と、この世の境」である。それはつまり、伊弉諾と伊弉弥を隔てた境界でもある事から、艮に立つ神とは、黄泉国の穢れを祓う存在では無くてはならない筈だ。それ故に、塞ノ神でもある道祖神として猿田彦と天鈿女命が立つ事に違和感を覚える。

ところで七夕もまた禊祓いの日になっているが、恐らくその原初は、天照大神と素戔男尊が天安河原で対峙し、誓約をしたエピソードに行き着く。「大祓祝詞」を読んでいくと、そこに記されている罪のいくつかは、素戔男尊が犯したものである。その罪深き神が素戔男尊である為に、それを恐れて天照大神は武装して天安河原で対峙した事になっている。しかしここでこの神々は、五柱の男神と宗像の三女神を誕生させる。

ここでもう一度考えてみると、日本神話では伊弉諾と伊弉弥の兄妹による近親婚という罪によって、多くの神々が誕生する話になっている。また神話上は、伊弉諾の左目から天照大神が生れ、鼻から素戔男尊が生れた事になっており、右目から生れた月読命を含めて三貴子と呼ばれるが、それは三兄弟という事になろうか。その兄弟である筈の天照大神と素戔男尊が結び付いて子を成しているというのは、更なる罪を重ねたという事になろう。つまり日本の神々は、常に罪を負っている存在でもあるという事なのだろう。人がいるからこそ、祀られる神が存在するという事は、人が神々に我が罪を投影し、それを代りに受けてくれるのが神であり、それを祓ってくれるのもまた神であるという事になろう。遠野周辺の八坂神社を見ていくと、ある事に気付く。それは八坂神社に祀られる素戔男尊と合祀されているのが、早池峯大神であり、祓戸大神であり、九頭竜であり、撞賢木厳之御魂天疎向津媛命となっている。名前は違うが、全て瀬織津比咩と結び付く神名となっている。

by dostoev | 2018-03-03 21:41 | お雛様と瀬織津比咩