わたしはあの蛇の棲む洞窟
わたしの臍から男達の宿命が生れ
すべての知恵が大地の一つの穴から生れる
神の姿がわたしの闇の中にあらわれまた消える
わたしの盲目の子宮からすべての王国があらわれ
たしの墓から七人の睡り人が予言する
これから生れる嬰児でわたしの夢にあらわれるものはなく
わたしの中に葬られぬ恋人とてもない
わたしはあの怖れ求められる炎の場所
そこで男と不死鳥が焼きつくされ
わたしの低い穢された寝床から
新しい息子 新しい太陽 新しい空が立ちあがる
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イギリスの詩人、キャスリーン レインの「巫女」という詩だ。イギリスという国でありながら、この詩には日本に伝わる神話の根源が広がるようだ。つまり、世界中の人々の根源的な意識は同じであるという意識を伝える詩だと思う。