遠野には白鳥が飛来して、人々の目を楽しませているが、実はかなり昔から
遠野に白鳥は飛来して、信仰の対象となっていたようだ。綾織の石上神社の
御祭神には、白鳥も祀られているのだそうな。その他にも経津主命などが御
祭神として祀られているが、これらの殆どは物部系の色がかなり強い。
古代の蝦夷時代には既に白鳥が神格化されていたようだが、その蝦夷の一族
に物部氏が結び付き、よりいっそう白鳥信仰が根付いたようだ。それは白鳥が
白山信仰との結び付きが大きかったようだが、それを広めたのは奥州藤原氏。
奥州藤原氏以前には、当然安倍貞任・安倍宗任の存在が浮き上がってくる。
これについては、後ほど書く事としよう。
白鳥に関しては、昔と現在の意識の変化が当然ある。古代においては、それこ
そ神格化された白鳥は魂を運ぶもの。大鳥とも称され、当時の人々には巨大な
存在でもあった。今でも白鳥を愛でている人も多いが、昔も今も白鳥は遠野にと
って、かけがえの無いものである。これについても、後で書く事としよう…。