妖怪ノリコシを調べると、どうやら四国が発祥のようなのだけど、ノリコシという名前は四国以外は遠野だけに、妖怪ノリコシが伝えられている。
遠野には金比羅様が数多く祀られているのだけど、やはり昔の人は、わざわざ四国まで金比羅参りをしたようだ。だからもしかして、金比羅様と一緒に、妖怪ノリコシも遠野に伝えられた可能性はあるかなぁと思う。
それと気になるのは方言の問題。濁点が多い東北で、よく地名考で採用されるのは、半濁音のアイヌ語だ。いつもここで違和感を覚える。
伊能は、遠野の地名などを殆どアイヌ語からの転訛&変化と考えているようだが、パピプペなどの半濁音が変化して、現在の濁音となったと考えるのは、無理がある気がする。
例えば公家言葉の「ヒキ」という蛙を意味する音が「ビッキ」と濁音と変化して伝わったというのは理解するが、やはり半濁音の多いアイヌ語が、現在の遠野の地名や言葉に変化したとは賛成しかねる。先人の研究には敬意を表するが、頭からそれを信じるというのは怖いものだと思うが…。
昔「砂の器」という映画で刑事がズーズー弁を探して東北を探したが見つからず、実は島根県にやはりズーズー弁を使う地域があるとわかり、事件の手掛かりが掴めたという内容の話があったが、昔蝦夷征伐の頃、刀鍛冶の職人は捕まえられ、中国地方に渡ったときく。
そして荒神・金神は、元々中国・四国地方に数多く伝えられる神だと聞くが、この荒神・金神がまったく伝わっていない地域もあるというのだが、実は遠野地方にも金神はかなり祀られている。どうも言葉・神・妖怪と、東北の遠野と中国・四国地方の重複性もあるのでは?と思ってしまうが、もう少し詳しく調べてみよう…。