遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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蛇退治

蛇退治_f0075075_05245363.jpg
大蛇を退治する。古くは「古事記」の素戔男尊の八岐大蛇退治に始まるが、民間では「蛇は陰湿なので祟る。」という意識が流布している。祟る生き物として他に、狐だったり猫も登場するが、どれも陰に属する生き物である。陰陽五行で陰に属するのは、女となる。その女と、蛇であり狐であり猫は、しばしば重ねられ、昔話などにも登場する。異類婚の話の大抵は、男が人間で、女が実は人間では無く、狐だったり、蛇だったりする。そして男は、女の提示した禁忌を破り、女は正体を現す。これは男はいつも約束を破る存在という認識と、女はいつも正体を隠しているという認識から作られた話も多いが、その原型は「古事記」での、伊弉諾と伊弉弥の話に帰結するだろう。ただ蛇の古くは、大物主という男神の正体が蛇であった場合があるが、後世においての蛇はほぼ女性と重ねられて語られる場合が殆どである。また猫もまた化け猫という妖怪が伝えられるが、これもまた男では無く女となる。これらの意識下には男尊女卑が見え隠れはするが、原初が殆ど日本神話へと行き着く事から、人間で非ざる者の存在は、全て神へと繋がるもの、そしてその神と繋がる巫女への意識が強いと考えて良いのではなかろうか。だからしばしば、祟る存在に神に近い巫女である女があてがわれる。
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来内地域の白龍社は、白蛇を殺してという漠然とした話を地域の古老から聞いたのだが、当初はそんなに古い話ではないのか…などと思っていた。蛇を殺した祟りというのは、昭和時代にも聞いた事がある。ある集落の爺様が、畑に現れた蛇を鍬で殺した日から、高熱を出して寝込んだ話がある。また大正時代には、蛇を殺した祟りによって蛇の鱗のようなケロイドに苦しんだ女性の話。その女性を苦しめた蛇が画像の蛇體大明神として、後に神へと昇格している。この祟った蛇を調伏したのは、日蓮宗の僧となるが、近代での日蓮宗は、こういった憑物祓いなどをよくしている。
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遠野で大蛇退治となると、やはり土淵の話となる。画像の大蛇の舌出岩は、ある僧に調伏された大蛇が、舌を出したまま石になってしまったもの。これ以外に、胴体の石と、尾の石がある。この大蛇の頭の石のところに小さな社があるが、棟札から尾の石のところに祀られている神社と繋がっているのがわかる。その神社が、白龍神社である。つまり退治されたのは、白蛇であり白龍であったという事。ただ大蛇の胴体の石の所には、社はなかった。「日本災害史」によれば、暴れる大蛇(龍)を抑えるには、頭と尾の二ヵ所を抑えるとあり、そういう意味から胴体の石は省かれ、大蛇の舌出岩と尾石の二ヵ所で社をもって祀っているのは理解できるのだ。この大蛇の石がある土渕は、明神の働きかけで開発されたと云われているが、その明神とは恐らくこの白龍神社に祀られている白龍であり大蛇であったろう。数年前、この土淵に台風が襲いかかった。その中で被害の酷かった場所に、この大蛇の舌出岩と胴体の岩と尾の岩が重なっていた事からも、大蛇とは小烏瀬川の氾濫の歴史と重なるのは明白であった。元々神とは祟る存在であり、その祟りとは自然災害の事を言った。蛇行する河川は、しばしば大蛇と例えられた。それが暴れると、川の氾濫と重ねられ、人々は神を恐れ、そして祟らぬ様にと崇め祀ってきた歴史は、日本全体に広がる。その大蛇を退治する人物の殆どが、仏教側の僧となるのは、神道における神を仏教の力によって制御したという、仏教の優位性を広める為の伝説であったかもしれない。例えば、上田秋成「青頭巾」では、その仏教内でも曹洞宗が真言宗の上に立つ宗派であるという事を広める様な話でもあった。仏教界も、印象的な縁起を創ったりし信者を増やそうとやっきになっていた。当然そういう中から、その土地の龍蛇などの地主神などを封じる様な話を創り、優位に立とうとしていたようだ。
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改めて、来内地区の白龍神社を見てみると、やはり来内川沿いに建てられているのが理解できる。地図上で見ると、山型の地形のほぼ頂点にくるのが伊豆神社であり、画像では赤丸で示してある山型の二つの底辺に位置するのが、二つの白龍神社である。土淵の大蛇が小烏瀬川と重なる事を思えば、この来内地区の二つの白龍神社と伊豆神社は、来内川を白蛇であり白龍と重ねられて祀られたのではないかという考えが想定される。ここでもう一度、来内地区に伝わる三匹の蛇の伝説をみてみよう。

来内に六陸田という地があり、ここは太古は池であった。この池に、お早、お六、お石という三匹の蛇がいた。この蛇たちは水神でもあったから、遠野三山の水源で神になろうと、この六陸田の地から一直線に天ヶ森へ経て、長峰七日路に水無しという水の無い峰を越え、現在の神遺峠の神分の社に来て泊まった。蛇たちは、天から蓮華の花が降ってきた者が、早池峰の主になる事にしようと話し合って、眠りに就いた。明け方近く、それは姉の胸に降ってきた。ところが、末の妹の蛇は、寝ずに待ちうけていてすぐに起き上がり、それをそっと自分の胸に置いて、寝たふりをした。みんなが目を覚ました時、末の娘の蛇は、約束通り、天の神が私を早池峰の女神に選びましたと言って、早池峰に飛び去った。姉は怒って早池峰と背中合わせの、一番低い石上山の、中の姉は六角牛の女神になった。この為、遠野三山は、女が登れば妬み、男の登るのを喜んだので、女人禁制の山になったという。

来内地区の六陸田という地が太古は池であったという記述は、来内地区の地形によるものだろう。極端に折れ曲がった来内川が氾濫すれば、しばしば来内地区は池になったものと想像できる。そしてこの来内地区に伝わる話は、遠野三山の女神の本来は、蛇であるという事を伝えている。つまり祟るのは神であり、その神は男神という女性である女神という認識が広がって、人間の女性と重ねられたかもしれない。各風土記には、山を流れる水の関する事で男神と女神の争いの話があるが、勝利するのはすべて女神で、その結果として男神は山から追い出される。川の源流は山にある事からも、山を支配するのは女神であり、それが蛇神へと結び付けられる。実際に、早池峯に祀られる神は水神であり女神である事からも、その水と重ねられる蛇であり龍と重なるのは当然の事であった。

先に述べた、一つの白龍神社に伝わる話に、白蛇を殺したから祀った…という漠然とした話の真実は、恐らく蛇を調伏したのは仏教の坊主であり、その蛇は山の水神で女神であった可能性はあるだろう。実際は、護岸工事により川の氾濫を抑え込んだものに、後から仏教の優位性を伝える為に大蛇退治の話を重ねたものが後世になり、その話がおぼろげとなっての「白蛇を殺したので祀った。」という古老の話に結び付いたのかとも思えるのだ。

by dostoev | 2019-05-16 06:46 | 民俗学雑記
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