ある、お婆ちゃんが亡くなった。そのお婆ちゃんは、昔から伝えられている事を守っていたお婆ちゃんだった。常々言っていたのは
「高千穂の神様と、早池峯の神様は同じだよ。」と。昔、遠野人達と高千穂の人達との交流会があったと聞いた。その時、高千穂の方々もまた、高千穂の神様と早池峯の神様は同じだと聞いた事があると述べていたそうである。この話もまた学者には一笑に付されるであろうが、遠く離れた東北の遠野の地と、九州の高千穂の地で語り伝えられていた事を思えば、神話の里としての高千穂と遠野は古代において、何等かの繋がりがあったものと思える。今でこそ、遠野観光のキャッチフレーズに"民話の里"と広く宣伝されるが、もしかして今後"神話の里"としての遠野の立ち位置もありえるか。何故なら「遠野物語」読み調べていくと、文中には示されないが、早池峯の神に繋がる話が実は多い。そういう事からも「遠野物語」は民話では無く、神話に位置する気がする。高千穂の神とは一般的に高千穂皇神となるが、その高千穂皇神が早池峯の神である瀬織津比咩であるという事を今後、その詳細を紹介していかなくてはならないだろう。