遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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「遠野物語拾遺290(虫)」

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二十日はヤイトヤキ、またはヨガカユブシといって、松の葉を束ねて村中を持ち歩き、それに火をつけて互いに燻し合うことをする。これは夏になってから蚊や虫蛇に負けぬようにと言う意味である。

ヨガ蚊に負けな。蛇百足に負けな。

と歌いながら、どこの家へでも自由に入って行って燻し合い、鍵の鼻まで燻すのだという。

                          「遠野物語拾遺290」

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自分が子供の頃、家の婆様が「今夜あたり、"ヨガ"が来るな…。」という言葉に反応して、子供心にヨガを考えた。言葉の響きが、忍者の伊賀や甲賀に似てるなぁとか。何となく、妖怪の類の様にも思えた。しかし、その正体は蚊であった。夜に現れる蚊だから「夜蚊(ヨガ)」であると。ちなみに遠野地方では、ムササビの事を「バンドリ」と呼んでいた。それはムササビが、"晩に飛ぶ鳥"とされていたからだった。

現代では蚊取り線香があるが、それが無い時代、代用品として松の葉を束ねて燃やし、その煙で燻す事によって虫除けの呪いと信じられていた。ヤイトとは「灸」の事であるが、ヨガカユブシは、夜蚊燻しであり、ヤイトも含めてまとめて虫除けを意味している。よく「痛いのは我慢できるが、痒いのは我慢できない。」と云われる。これに関しては、誰にでも経験があるのではなかろうか。とにかく人は、昔から虫刺されの痒みに苦しんできた歴史がある。
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イギリスの女性旅行家として有名な、イザベラ・バードがいた。その著書である「日本奥地紀行」は読んだ事が無いが、それが現在佐々木大河「ふしぎの国のバード」として漫画化されている。そして、これが非常に面白い。最近、2巻が発売されたばかりで、ついに東北の入口に到達したが、現れた人々は貧しく不潔な為、蚤や虱などの虫刺されに苦しんでいるよう。村人の話しでは、この生活に欠かせないのが、囲炉裏の煙であると。絶えず囲炉裏に火をつけておかないと、屋根に虫がついて家はすぐに腐ってしまうと訴えている。そこでイザベラ・バードは硫黄と獣脂で、痒み止めの塗り薬を作って、その作り方も含めて村人に提供した。時代は明治の話なのだが、、自分たちの先祖がこういう暮らしをしていたのかと、文字だけでは感じ得ないリアルさを、この漫画は描き切っている。
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囲炉裏の煙に燻された壁や天井は、画像の様に汚れてしまう。しかし、これが生活に必要であると昭和の時代まで続いていたという事実。虫除けの為に燻すのは家だけでは無く、人間の体もそうであった事を、この「遠野物語拾遺290」は紹介しているのであった。また、遠野のマタギが山中でタバコを吸うのは、蛇がタバコの煙を嫌うからだとしているが、元々は蛇も虫である事から、タバコもまた虫除けから来ているもののようである。

自然が豊富であるという事は、草木と共に、虫も非常に多いという事。虫などは特に女性が苦手な事もあって、田舎への転勤や、定年後の田舎暮らしに、真っ先に逃げ出す女性の話をたまに耳にする。それは平安時代も同じであって、虫を忌み嫌う女性の多い中で、「堤中納言物語(虫愛ずる姫君)」に登場する虫好きな姫は、その時代でも非常に稀な女性であった。吉田兼好「徒然草(19段)」には「蚊遺火ふすぶるもあはれなり。」と記されているが、"蚊遺火"とは、よもぎの葉、カヤの木、杉や松の青葉などを火にくべて、燻した煙で蚊を追い払う生活の為の文化であったよう。

遠野の場合は、松の葉だけであったようだが、これは羽黒の松例祭に影響されたものではなかろうか?昔、岩鷲山(現在の岩手山)に麤乱鬼という悪鬼が現れて奥羽に悪疫を流行させた時に、ある七歳の少女に羽黒権現が憑き、悪鬼に象った大松明を作ってこれを焼き調伏せよとの御宣託があった事から始まったのが、羽黒の松例祭である。元々松の木は神の依り憑く樹木として信じられていた。例えば、天女の羽衣がかかっていたのも松の木である事から、神木として祀る神社もまた多い。その松の木に依り憑いた、神の霊力を期待しての虫除けではなかったか。

とにかく、虫と人間のいたちごっこは、恐らく人類の歴史と共に始まったものであろう。昔は、この「遠野物語拾遺290」の様に民間の呪いの様なもので行っていたが、現代では科学的な殺虫剤が使用されている。それでも虫を完全に無くする事は、不可能である。これからも虫と人間の関係は、嫌でも続く事になるだろう。そういう時は"虫愛ずる姫君"の様に、少しでも虫に対して好意的になれれば、虫に対する見方も接し方も変わるのではなかろうか。そう、相手を制するならば、まず冷静に相手を観察できるようにならなければならないだろう。「ヨガ蚊に負けな。蛇百足に負けな。」の歌は、精神的にも虫に打ち勝てという意味なのだろう。
by dostoev | 2016-05-22 22:27 | 「遠野物語拾遺考」290話~
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