また殿様だけでなく、身分の低い者に叱られる家臣達はたまったものでは無い。叱る内容は、噂程度で聞こえるものが主体ではあったようだが、殿様の耳に入れたくない話もあった事から、年々片角様の評判がすこぶる悪くなっていったという。だが風儀維持には中々良い面もあるので細々と続いていたが、だんだん参加する者が居なくなったという。いくら神でも、参加者がいなくては神としての威光は成り立たない。今まで城内で行われていた片角様のお祭が、いつしか城外に進出し、叱り飛ばす相手を町人や百姓に対象を代えた為に、町中で大恐慌となったそうである。そうなると町人も百姓も、当初は物珍しさから集まっていたが、途中からは誰も集まらなくなってしまったという。すると、誰かが「それなら此方から出張して御開帳をやろう。」と言い出し、それからは金持ちである役人や町人の家に押しかけて、片角様の御開帳を行い悪口を並べ立て、金か酒が出ないまで帰らなかったという。「酒か金、それとも悪口?」・・・こうなれば、まるで西洋のハロウィンのように「Trick or Treat(トリック オア トリート)」「悪戯か、お菓子か?」である。しかし、西洋のハロウィン文化よりも、かなり性質が悪かったようである(笑)