車で走っていると、白い犬らしきが横たわっているのを発見。車を停めて確認した。すると犬では無く、狐だった。よく見ると色も白色ではなく、ほんのりと淡い黄色の子狐で車に轢かれたのだろう。
白い獣は神の使いだというが、遠野では昭和40年代に白いツキノワグマが発見され、猟師に撃たれ、ひと時遠野市民センターに展示されていた。また知人は昔、白いタヌキを捕獲して剥製にしたところ、あまりに珍しいからと、東京の高島屋の社長が売ってくれと打診したらしいが、それを売る事は無かったという。岩手県内でもアルビノ種が発見されれば、必ずといって良いほど県内ニュースに流れる程だ。
白い狐の話は、遠野で知っているのは、山口部落のデンデラ野で辺り一帯を支配していた妖怪化した白狐の話と、宮守の悪い白狐の話がある。山口部落の白狐は、デンデラ野で横たわっていたのを山口孫左衛門の父が使用人に塚を造らせ埋葬したという。また宮守の悪い白狐は、某寺の寺宝である獣退治の槍で征伐されたという。
しかし、今回の狐は完全な白狐になれなかった中途半端な子狐で、また未熟だったゆえに車に轢かれたのだろう。可愛そうに、この子狐の成長した姿を見たかったものだ…。