ふと気付くと、小高い場所に社がある。
遠野には、神社庁に登録されていない、こういう小さな神社が沢山ある。
棟札には、天満宮とあるので、この神像は菅原道真なのだろう。以前、仏像・神像を見に遠野を訪れた人は、洗練された美術品の様な仏像や神像よりも、こういう不器用で素朴な仏像・神像の方が心に残ると言っていたのを思い出した。ただ、天神を祀る天満宮は、朝廷が菅原道真を恐れた為に、瞬く間に本来の天神から菅原道真に祭神が変更されている。今ではこうして天満宮=菅原道真となっているが、本来の天神は龍神であったようだ。また、その天満宮も天候に関する事が菅原道真を配した事により、学問の神様にもなってしまった。だから天満宮=菅原道真=学問の神様と定着しまっているのは、ご愛嬌だろうか?
この天満宮の鳥居は、朽ちて倒れている。かっては朱塗りの鳥居だというのが見てわかるが、このままではいずれ残骸となってしまうのは明らか。しかし、こういう小さな鳥居と社を建てるのにも、かなりのお金が必要だ。信仰の持続には、お金が必要になる。今後、益々田舎のこういった社を持続する為には、経済が発展し、個々が豊かにならなければ成りゆかないのだろう。