遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
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妙見と牛馬(九曜と一戸~九戸)

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達曽部の駒形神社へ行って見た。
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達曽部の駒形神社は、かなり広い境内で、向かって左が駒形社で、真中に位地するのが妙見宮である。駒形神社と妙見宮が並んでいるのは、妙見神の眷属が馬に由来する為であろう。西日本では妙見神は大亀に乗っている姿で表されるが、東日本の殆どは馬に乗った姿で表される。平将門の目の前に現れた妙見神は白馬に乗った姿であったという。ただ西日本での妙見神が乗ったという大亀(おおがめ)は、東日本では狼の事を「おおがめ」とも呼ぶ事から、狼に乗った神もまた妙見神であろう。

また星の信仰でもある妙見信仰だが、星座の「座」は「くら」とも読み馬などの「鞍(くら)」と結び付いて、牛馬の守護神ともなった。「星座」という言葉は、司馬遷「史記」には登場するので、紀元前には既にあった言葉で、かなり古くから日本にも伝わっている。
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ところで「豊前志」に細川氏が熊本藩主になると、足立妙見を再興し、一戸妙見へ社領を寄進したとある。ここでの一戸は「ひとつと」と読むのだが、ここもまた馬の牧に関係する地の様である。ここで思い出したのが、岩手県から青森県にまたがる一戸~九戸なのだが、元々「戸」とは、食べ物を煮炊きするものに関わり、転じて家の単位や集落を意味するようになった。ただ「戸(へ)」はアイヌ語からきているという説もある。また「柵戸(きのへ)」に関わるものであろうという、やはり牧に関する説もある。更に「猿楽」「うつぼ猿」の小謡に「一の弊立て、二の弊立て、三の弊立て、之に黒駒信濃を通れ」とあり、どれにしろ一戸~九戸は古代から馬の名産地であった事から、やはり馬に関わる地名であったのだろう。

しかし何故に一戸で始まり、九戸で終わるのか?十戸があっても良いとは思うのだが。余談だが、遠野も本当は「遠野閉伊(とおのへい)」で実は「十戸(とおのへ)」ではなかったかとも云われている。
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ただこうして、達曽部の駒形神社には妙見宮が結び付いているのだから、馬と妙見を結びつけて一戸~九戸を考えて見れば、妙見の九曜紋が浮かび上がる。九曜は、北斗七星の七つ星に、太陽と月が加えられ九曜となっている。その九曜という数字を重視すれば、一戸~九戸という九つの数に収まっているのは九曜を意識しているのだと考えるのだ。

「新撰陸奥国誌」によれば、坂上田村麻呂伝承が付随する乳井神社・鹿島神社・岩木山神社・熊野奥照神社・猿賀神社・浪岡八幡宮・大星神社の七つの神社は北斗七星型に配置されているという。最後の大星神社は、そのまま妙見宮でもある事から、かなりの妙見信仰の形は入り込んでいる筈だ。そのような事から、一戸~九戸の九つも妙見である可能性は高いであろう。
by dostoev | 2013-06-12 13:33 | 民俗学雑記 | Comments(0)
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