境木峠の旧道には、白山様と呼ばれる岩山がある。傍には小さな滝があるが、以前は上流の沢水をこの白山様の岩山の上に流し、人工的に滝にしてその景観を楽しんでいたという。この頂には昔、高さ二尺ほどの石塔が建っていたそうな。
白山様の下には、金毘羅の石碑が今でも立っている。他にもいくつかの石碑があったというが、今はそれを見つける事ができない。
金毘羅の石碑のすぐ奥に、大きな岩屋があり、以前はここで何かを祀っていたという。似た様なものに、米通りへ行く途中の巨大な岩屋には不動明王が祀られたいたが、それと同じ可能性はあるかもしれない。
画像は、白山様を横から見たものだが、この白山様の頂には一つの伝説があり、長者を祈願するとなれるというものであったらしい。山口部落の長者は皆、この白山様の頂で祈願したというのだ。とにかくどんなものか登って見る事にした。
この白山様の途中で下の沢を見下ろしてみた。かなり高い。画像では、この白山様の高さは意外に低いと感じると思うが、直接垣間見る白山様は、かなり高い岩山で威圧感がある。
頂には、また別の岩が載っており、巨木も何本か生えている。この岩を側面から見ると、船の様な形に見える。まるで岩船であった。
白山様の先端は平坦になっており、ここから長者になれるよう祈願したのだろう。ただ、見晴らしは樹木の影響から良くない。
白山様の頂から沢水を落として人工的な滝を造ったという事だが、これと似た様なものが小友の厳龍神社の不動岩だ。あそこにも昇竜・降竜の跡があり、恐らく昔は滝では無かったか?と云われているが、小友の不動岩の降竜跡の麓には早池峯の石碑がある様に滝神を意識してのものだったろう。実は今では不明の石碑の中にも、早池峯と刻まれた石碑があったとも聞く。ここも早池峯の滝神を意識してのものであったのだろうか。