
ここは…まるで岩の森でもあるかのように、巨石が屹立し、乱立している
異空間のようだ。遠くから見るとまるで、巨石の城であるかのような錯覚
に陥る。

昔は、地域の人々に信仰されていた胎内巡りの大岩。皆で山に登り、こ
の胎内巡りの大岩の異空間トンネルを潜ると、新たな命が吹き込まれる
ものだと信じられていた。そして山を下り、皆で風呂に入ったというのは、
新たに生まれた赤子が産湯に浸かるように…という事であったようだ。

目指す胎内への産道は、この穴である。

とにかく周囲は、巨石に覆われている。



この胎内巡りの大岩の上へと回り込み入り口である産道口を発見した。

入り口から少し下へとジャンプするように入らないといけない。女性は
厳しいのかもしれないなぁ。内部は、湾曲した空間で、やはり狭く、確
かに産道を意識させるホトとしての形だ。

実は以前、この胎内巡りの大岩の前には祠があった。ここを知る古老
の話だと、多分山神を祀っていたのでは…。という事であった。
しかし現在は、その祠の残骸があるだけで、古老に祠はすでに積年の
風雪に堪えかねて潰れ、無くなってしまった事を告げると、寂しそうにし
たのが印象深かった…。
そう、もうこの地には誰も訪れる者はいないのだろう…。