遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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「遠野物語拾遺266(百鬼夜行)」

「遠野物語拾遺266(百鬼夜行)」_f0075075_20224436.jpg

画像は、青笹のデンデラ野

青笹村の字糠前と字善応寺との境あたりをデンデラ野またはデンデエラ野と
呼んでいる。ここの雑木林の中には十王堂があって、昔この堂が野火で焼け
た時十王様の像は飛び出して近くの木の枝に避難されたが、それでも火の勢
が強かった為に焼焦げている。

堂の別当は、すく近所の佐々木喜平どんの家でやっているが、村中に死ぬ人
がある時は、あらかじめこの家にシルマシがあるという。すなわち死ぬ人が男な
らば、デンデラ野を夜なかに馬を引いて山歌を歌ったり、または馬の鳴輪の音を
させて通る。

女ならば、平生歌っていた歌を小声で吟じたり、啜り泣きをしたり、あるいは高声
に話をしたりなどしてここを通り過ぎ、やがてその声は戦場の辺りまで行ってやむ。

またある女の死んだ時には臼を搗く音をさせたそうである。こうして夜更けにデン
デラ野を通った人があると、喜平どんの家では、ああ今度は何某が死ぬぞなどと
言っているうちに、間も無くその人が死ぬのだといわれている。

                              「遠野物語拾遺266」

「遠野物語拾遺266(百鬼夜行)」_f0075075_2057669.jpg

>デンデラ野を夜なかに馬を引いて山歌を歌ったり、または馬の鳴輪の音をさせて通る。

この「遠野物語拾遺266」の一部の描写を読んで気付くのだが、例えば「古今著聞集(593)」「人馬のこゑ、東にむかひておぼく聞こえり。まことにはかなけり。これも鬼のしわざにや。」と記されているのに近似している。「古今著聞集」は鎌倉時代の編纂されたものであるが、話の多くは平安時代のものとなる。平安時代は、それこそ鬼が跋扈していた時代でもある。その鬼に関する描写が「人馬のこゑ…。」となるのだが、これは夜の闇の中は人間の世界では無く、異形の者達が集まると信じられていた時間帯でもあった。この「古今著聞集」の描写と「遠野物語拾遺266」の描写は、どこが違うというのだろうか?

古代中国では、死んだ人間を鬼と称した。つまり鬼とは昔話に登場する、赤鬼や青鬼のイメージというより、死者も含めた異形の者達を総称して鬼であるのだと思う。そして「古今著聞集」の舞台となる平安の都と、遠野の青笹村との違いはあるが、どちらも夜中に馬を連れる行列が通っている。

また「古今著聞集(589)」には「夜中ばかりに騒動のこゑのしければ、僧ども坊の外へ出でて見れば、やがてしずまりて、何事もなかりけり。」とあるように、怪しいと思い見に行くと、その騒動という現象は立ち消えとなっている。ところが「遠野物語拾遺266」では見に行く事をせず、ただそれは人が死んだシルマシであると、その現象を確認する事無く、その音だけで判断している。例えば葬式などで黒服を纏うのは闇を表すという。死装束と同じ白い衣服を身に纏えば、死者は仲間だと思って寄って来るからだと。つまり、死者が寄って来て引き込むとの迷信もある事から、百鬼夜行のような死者の行列は、決して見てはならないものなのかもしれない。だからこそ、音だけで判断し見に行く事は無かった。そうなると、「古今著聞集」に登場する人物と「遠野物語拾遺266」に登場する者との意識の違いが、百鬼夜行と死者の行列との違いになった可能性はある。

しかし先に述べたように「古今著聞集」と「遠野物語拾遺266」の描写には、とにかく違いが無い。つまり「遠野物語拾遺266」の中で聞こえたという死者のシルマシは、公にはそのまま百鬼夜行として判断しても問題は無いという事だ。
「遠野物語拾遺266(百鬼夜行)」_f0075075_21252634.jpg

「遠野物語」と「遠野物語拾遺」を読んで気付くのは、怪しい出来事は全て狐狸の類か幽霊の仕業となる場合が多い。鬼という言葉が一つも登場しないのが遠野である。そこには都と田舎の違いがあるのかもしれないが、岩手県が鬼の話が多くあるのに対し、遠野には鬼の話がまったくないのは不思議な事である。ただ言えるのは、遠野の歴史は飢饉の歴史でもある。遠野の語源のような「亡者の列」の話もある意味、異形の者達の行列であり百鬼夜行であるのだが、飢饉で死んだ遠野の民である故か、それを鬼とは呼ばずに、亡者と呼んでいる。つまり百鬼夜行とはどこか余所者である存在で、同じ遠野という空間を生きた者達に対しては、慈悲の心から鬼という言葉を使わなかったのではなかろうか。

岩手県の鬼とは、蝦夷の事を云う。それは朝廷にとって"まつろわぬ者達"であり、いつしか倒された蝦夷達が勝利した朝廷の意向によって鬼に変換された為、いつしか身内である筈が余所者としての鬼の様に語られてしまった。しかし遠野では、その空間で死ぬ者達は、蝦夷であろうが、それは全て遠野の民であり、遠野の空間、遠野の地で死んでいった者達を鬼として扱ってはならぬという心が働いた結果ではなかろうか。それ故に、百鬼夜行でありながら百鬼夜行として描写されないのは、人の優しさ故なのかもしれない。
by dostoev | 2013-02-02 21:55 | 「遠野物語拾遺考」260話~
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