この神社は、去年の11月にも1度紹介した神社となる。その時は意味がわからないままアップしたが、その意味がわかった為に再アップする事とする。
この土淵の山崎観音前の神社は、カミが夢枕に立ち
「オレを祀る神社を作れ。」と言われて作ったものであるそうな。傍の観音堂の裏山には白蛇がよく姿を現わし、それが御神体として祀られているそうである。恐らく山崎観音堂内部にある、倶利伽羅不動みたいな白い蛇をあしらった社も、この白蛇を祀ったものであろう。
裏山によく姿を見せていた白蛇は、いつの間にか姿が見えなくなっていたという。しかしある時、附馬牛で白蛇が捕まったという報を聞いた時、村の有志が手土産を持って附馬牛へと行き
「白い蛇は確かに私どものカミサマの筈です。どうか、お返しください。」と頼み込んで、村に連れ帰ったという。それから70人の信者を集め大がかりな酒盛りをし、カミサマである白蛇を再び裏山へと放したという。その白蛇を祀ったのが、画像の神社であるそうな。
白蛇が見つかった話は、来内の手前の白龍神社でもそうだった。また同じ土淵の水波神社も、本来は白蛇から建立された神社であったようだ。そしてこの山崎観音前の神社もそうだが、白蛇とは今では山口県の特別天然記念物となっているアオダイショウのアルビノとなる。九州にもかなりいると聞くが、全般的に白蛇は西日本に多いようだ。実は、自分が生きている間に遠野周辺、もしくは岩手県で白蛇が見つかった話を聞いた事が無い。
ところで山崎観音参拝後に気付くのは、正面から見ると微妙に向きが曲がって鳥居が実は六角牛山の正面を向いているのがわかる。そして気になるのは白蛇神社の向きだ。山崎観音の裏山にいる白蛇を祀るのであれば、その向きは山崎観音方面で良い筈と思うのだが、北を向いている。恐らく早池峯山方面を向いているのではなかろうか。来内の伊豆神社の外伝に白い三匹の蛇の話が伝わる様に、遠野三山と白蛇はリンクしているようである。それを意図して、神社の向きも考えられたのではなかろうか。