某さんは、平成20年早池峰に登り、翌朝の御来光を拝む為に山頂の避難小屋に
泊ったという。その早池峰山頂での夜中、犬の遠吠えと共に、犬の吠え声が近付
いて来たので、誰か犬と一緒に、この夜中に登って来たのか?と疑問に思ったと
いう。辺り一面真っ暗闇の早池峰山頂の外に出てみたが、先ほど聞こえた筈の犬
の吠え声は途絶え、静寂が辺りを包んでいたという。
考えてみると、早池峰山は糞尿問題などから犬連れは禁止となっており、もしも
本当の犬が近付いたのなら、犬だけが早池峰山に登って来た事になる。早池峰山
頂では、たまにカモシカやツキノワグマも目撃される事から、間違って登ってく
る犬がいてもおかしくは無いだろうと某さんは思ったそうであるが、後から思い
起こしてみると、あの遠吠えはもしかして狼であったのかもしれないと思ったそ
うである。