
今よりも昔、早池峰神社には樹齢何百年かわからぬ杉の木があった。
今でもそこそこの樹齢の杉はあるのだが、この地域の人間がお金に
困って数本の御神木を切り倒し、売ってしまったという。ところが、御
神木を切って売った為に、神の怒りに触れたのか、その関係者は全て
発狂し死んでいったという。
神域の木は神の大事なものであると共に、木それぞれには人と重複
しているものであるという。
目(芽)歯(葉)鼻(花)指(細枝)耳(実)腕(枝)頭(梢)胴(幹)足(根)と、
必ず人間の体と対比させて名称が付いたという。だから木は、人間の
映し身というか自画像みたいなもんであると。
つまり”木”は、人間の”気”と同じものとして付けられた名称であり、神が
降臨した存在が人間であり樹木のようだ。
しかし寿命においては、木は人間よりもはるかに長い。だからこそ、人間
は長きに渡って尊んできた。その御神木を私欲にかられて切り倒すとい
うのは、やはり神の怒りに触れるのだろう。