遠野に住んでいる某女性と、その娘は親子共々霊の見える
家系であるそうな。更にその両親も、霊が見えて困っていた
という。
しかし霊が見えて気味が悪い為、常に引越しを繰り返してい
たのだそうでが、遠野の街中を歩いていてもやはり霊が見え
る為に、安息の場所を得られないと言う。
その某女性の言うとおりに霊の見える場所を地図にしてしまう
と、遠野の町が一大霊場と化してしまう。
元々山岳信仰の盛んな遠野では、死んだら遠野の民の魂は
早池峰神社に集まり、又一の滝で清められ、早池峰の山へと
登って行くものだと伝えられている。しかし魂の行方は全て早
池峰神社というわけではなく、やはりその地に留まり彷徨う魂
もまた、あるのだと。
それが某女性の見える霊なのかどうかは、断言できぬもので
はある。