今から35年前、現遠野東小学校の建物は木造校舎であった。当時、中庭に池があり、そこに石が封印されてたという。その昔、南部の殿様の姫で松川姫という女性が池に落ちて死に、その松川姫の霊を慰める為にか、その石は置かれたものだという。
その35年前、当時の小学校の校長は宿直で校内を見回っている最中、何度となく煌びやかな衣装を纏ったお姫様の姿を目撃したものだと伝える。それは多分、池で死んでしまった松川姫が、この世を名残んで現れたものだと。しかし、2度にわたる不審火により、小学校は燃えてしまい新たに鉄筋コンクリートの校舎に変わり、池も埋め立てられ封印されていた石の所在もわからなくなったと云う。