この屁こきジジイは、わたしと同室のジイサンで、なんの変哲もないただの「屁こきジジイ」なのである。しかし、その屁がとにかく凄い。そしてその屁をする時というのが、殆ど決まって夜なのである。 病院の消灯は、夜9時である。そしてその消灯と共に、ジイサンの屁の独奏会が始まるのであった…。
野球マンガに〃七色の変化球〃というのがあったが、そのジイサンの屁は〃七色の変化っ屁〃とでも言おうか、様々な音色と臭気で、毎晩わたしを楽しませてくれる。ゲリ状のドロドロしたクソをガスが弾くように「ビチュッ、ビチュ、ビチュ、ビチュッ」というのもあった。目一杯に肛門を解放し「ブホーッ!」という、猛り狂ったホラ貝の音色のようなものも聴かせてもらった。さらに、愛らしい女子高生が恥じらいながら「プッ、プゥ~ゥッ」とやりそうな可愛い屁など、実際に様々な音を聴かせてくれる。そして臭いも…。
東京ディズニーランドで〃光と音のパレード〃というのをわたしは見てきたが、これに匹敵するのが「屁こきジジイ」の〃音と臭いのパレード〃であろう(^^;