家に帰って来たのは、夜中の1時半頃。まず暖かいお茶を飲んだ。腹も減ったので温かいウドンを作り食べた後に気付いた…
携帯電話が無い!!!
車内を探しても、携帯電話が無い。ならばやはり…可能性が高いのは、薬師岳を下山している最中だろう。最近携帯を買い換えたばかりで、まだ月賦も残っている。この状態で、新しいのは買えない。ならば再び薬師岳に登り、携帯電話を探さねば。
という事で、再び薬師岳の登山口。またもやガスに覆われており、そのガスに包まれた月は不思議な形となり、光を放っている。とにかく今回は、のんびり撮影している暇が無い。とにかく携帯電話を発見しなくては…。
そして!!!携帯を発見した。それは、密林地帯を抜けた、ハイ松帯の細い道のど真ん中に落ちてた。良かった!!!と思ったら…
充電電灯の明りが消えた!!??これも何かの試練というか…遠隔で試練を与えるのは二人しかいない。そこで闇に聳える早池峰に向い叫んだ
「○○と○○○の馬鹿野郎!!!」闇の中で大声で叫ぶのはスッキリするもの。ただ明りが無くなったとしても月明かりで、周囲はかなり明るい。にかくとどうにか薬師山頂を目指した。
12時頃の遠野盆地上空は、厚い雲に覆われていたが、夜中の3時過ぎの遠野盆地は雲が下がり、いつもの通りの雲海を形成していた。
月は、もう少しで西の大地に沈もうとしている。
早池峰を見ると、西が月の明りで白く輝いて、東側が太陽の明りで赤味がかってきている。
そして月の明りが太陽の影響で赤味がかり、ついに東の彼方から太陽が昇った。
遠野盆地も、太陽の明りにより息づいてきたかのよう。
月が沈んだ西の彼方には、太陽光線の影響で、尖がった薬師岳の影が伸びている。
この天体ショーは、まるで早池峰が太陽の神と月の神を両手に携えたように感じた。太陽は火の象徴であり、月は水の象徴でもある。この情景を垣間見ると早池峰には、昔から火と水がセットになっているかのよう。これもまた大自然の作りだした神秘の一コマなのだと考える。道中いろいろあったが、この情景を見る事が出来て、本当に良かった。