日増山には、ブチブクレという妖怪が出没するという話、古老より聞きたり。
夕暮れて独り日増山を登りて行けば、上の方より味噌玉程の小黒きもの、
グルグルとまわりつつ坂をころがりて来たる。
手出しせずして黙って見過ごしてやればそのまま下に転がり去るも、手に
したる杖などにて打ち叩きなどすれば、その丸い玉、見る見る膨れて一斗
ざる程にもなりて、身辺を去らずにグルグル廻り始むとなり。
逃げれば、逃げたる方にどこまでもあとを追いて来る由なり。
打てば膨れて人に仇を為す故に、村人ブチブクレと呼びたり。
日増山への過程には、上記の写真のように古い墓石がゴロゴロと…。
日増山の裾野には、賽の河原を彷彿させる石が積まれてある。
目指す山頂はもうすぐだ。
この坂からブチブクレは、転がってきたという。
途中、小屋があった。鍵はかかっておらず、出入り自由なのでここで
泊まる事もよし…。
ただこの周辺、墓石がかなりあるので、霊的なスポットであるのは明白。
覚悟して、日増山を訪れよ(^^;