二股の杉は一般的に「夫婦杉」と呼ばれるパターンが多い。それは、男女というか陰陽の和合が成立する樹木という事からだ。1.2.3.は聖数であり、その中で2という数字は、母子、男女、姉妹、兄弟という互いに協力しあって新たな生産エネルギーを生む根源の構造だという。この地は、程洞神社の境内であるから程(ホト)洞(ホラ)という元々生産の根源である女陰を示す土地名である。しかし、後で意識的に、この二股杉を植えたのとは考えにくい。根の付き具合から、たまたま植えた杉が二股になったものだろう。多分ここに屹立している二股杉は、阿曽沼という追われた一族の復興の願いが募り、生み出されたのかもしれない。