遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
全体
民宿御伽屋HP
御伽屋・幻想ガイド
遠野体験記
民宿御伽屋情報
遠野三山関連神社
遠野不思議(山)
遠野不思議(伝説)
遠野不思議(伝説の地)
遠野不思議(遺跡)
遠野不思議(神仏像)
遠野不思議(石)
遠野不思議(石碑)
遠野不思議(追分の碑)
遠野不思議(史跡)
遠野不思議(樹木)
遠野不思議(桜)
遠野各地の滝
遠野の鍾乳洞
遠野不思議(自然)
遠野八景&十景
遠野不思議(オブジェ)
遠野不思議(その他)
遠野各地の河童淵
遠野各地の狐の関所
遠野各地のデンデラ野
遠野各地の水車小屋
遠野各地の不地震地帯&要石
遠野各地の賽の河原
遠野各地の乳神様
遠野不思議(淵)
遠野各地の沼の御前
遠野各地のハヤリ神
遠野の義経&弁慶伝説
遠野の坂上田村麻呂伝説
遠野の安部貞任伝説
遠野不思議(寺院)
遠野七観音
遠野各地の八幡神社
遠野各地の熊野神社
遠野各地の愛宕神社
遠野各地の稲荷神社
遠野各地の駒形神社
遠野各地の山神神社
遠野各地の不動尊
遠野各地の白龍神社
遠野各地の神社(その他)
遠野の妖怪関係
遠野怪奇場所
遠野で遭遇する生物
遠野の野鳥
遠野のわらべ唄
民俗学雑記
遠野情報(雑記帳)
観光案内(綾織偏)
観光案内(小友編)
金子氏幻想作品
「遠野物語考」1話~
「遠野物語考」10話~
「遠野物語考」20話~
「遠野物語考」30話~
「遠野物語考」40話~
「遠野物語考」50話~
「遠野物語考」60話~
「遠野物語考」70話~
「遠野物語考」80話~
「遠野物語考」90話~
「遠野物語考」100話~
「遠野物語考」110話~
「遠野物語拾遺考」1話~
「遠野物語拾遺考」10話~
「遠野物語拾遺考」20話~
「遠野物語拾遺考」30話~
「遠野物語拾遺考」40話~
「遠野物語拾遺考」50話~
「遠野物語拾遺考」60話~
「遠野物語拾遺考」70話~
「遠野物語拾遺考」80話~
「遠野物語拾遺考」90話~
「遠野物語拾遺考」100話~
「遠野物語拾遺考」110話~
「遠野物語拾遺考」120話~
「遠野物語拾遺考」130話~
「遠野物語拾遺考」140話~
「遠野物語拾遺考」150話~
「遠野物語拾遺考」160話~
「遠野物語拾遺考」170話~
「遠野物語拾遺考」180話~
「遠野物語拾遺考」190話~
「遠野物語拾遺考」200話~
「遠野物語拾遺考」210話~
「遠野物語拾遺考」220話~
「遠野物語拾遺考」230話~
「遠野物語拾遺考」240話~
「遠野物語拾遺考」250話~
「遠野物語拾遺考」260話~
「遠野物語拾遺考」270話~
「遠野物語拾遺考」280話~
「遠野物語拾遺考」290話~
「現代遠野物語」1話~
「現代遠野物語」10話~
「現代遠野物語」20話~
「現代遠野物語」30話~
「現代遠野物語」40話~
「現代遠野物語」50話~
「現代遠野物語」60話~
「現代遠野物語」70話~
「現代遠野物語」80話~
「現代遠野物語」90話~
「現代遠野物語」100話~
「遠野妖怪談」
「闇・遠野物語」
遠野小学校トイレの花子さん
遠野小学校松川姫の怪
遠野小学校の座敷ワラシ
菊池氏考
佐々木氏考
クワガタと遠野の自然
安倍氏考
阿曽沼の野望
遠野・語源考
河童狛犬考
飛鳥田考
遠野色彩考
遠野地名考
ゴンゲンサマ考
五百羅漢考
続石考
早池峯考
六角牛考
七つ森考
羽黒への道
動物考
月の考
「トイウモノ」考
小松長者の埋蔵金
遠野七観音考
鯰と地震
三女神伝説考
早池峯信仰圏
河童と瀬織津比咩
狐と瀬織津比咩
勾玉の女神
橋姫と瀬織津比咩
平将門と瀬織津比咩
狼と瀬織津比咩
鈴鹿権現と瀬織津比咩
母子信仰と速佐須良比賣
七夕と白鳥
来内の違和感
瀬織津比咩(イタリア便り)
水神と日の御子
年越しの祓の女神
「七瀬と八瀬」
鉄の蛇
荒御魂
閉伊氏の正体
早瀬川と白幡神社
瀬織津比咩雑記
岩手県の瀬織津比咩
古典の世界
「宮木が塚」
「蛇性の淫」
「白峰」
「吉備津の釜」
「菊花の約」
「青頭巾」
「浅茅が宿」
「徒然草」
「源氏物語」
「枕草子」
わたしの怪奇体験談
よもつ文
遠野の自然(春)
遠野の自然(夏)
遠野の自然(秋)
遠野の自然(冬)
遠野の夜空
以前の記事
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
お気に入りブログ
パチンコ屋の倒産を応援す...
ゲ ジ デ ジ 通 信
宮  古  物  語
民宿御伽屋
不思議空間「遠野」別館
ひもろぎ逍遥
jun-roadster
リティママ の日々徒然
世に倦む日日
JUNJUNのブログへよ...
外部リンク
最新のコメント
死んだら魂は山へ…という..
by dostoev at 05:03
そうなのですね。 確か..
by soma0506-yca at 22:03
あ…「6つ3合う」ですね..
by dostoev at 17:09
日本人は良くも悪くも言葉..
by dostoev at 17:03
凄く面白いですね。 6..
by soma0506-yca at 16:15
なるほど。ありがとうござ..
by 秩父まほろば at 09:49
西の真言、東の天台と云わ..
by dostoev at 06:12
こんにちは。 円仁の話..
by 秩父まほろば at 17:57
さっと氏…まるで「徒然草..
by dostoev at 18:26
下駄を利用したトレーニン..
by dostoev at 18:25
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


<   2015年 10月 ( 13 )   > この月の画像一覧

月と兎と亀

f0075075_16355887.jpg

この前の月を見て、思い出した。もう今は亡き、とある翁の事だった。もう10年以上、前の事になるか。ある翁が、ドヤ顔で何かを教えようとした。

「おい、いい事を教えてやる。兎は二種類いて、一つは白兎で、もう一つは茶色の兎で、大山兎というんだぞ。」

この翁は、自分の体験だけで生きてきた翁であった。
f0075075_1641610.jpg

画像は、宮守の山中で出逢った兎。毛の生え変わりの時期になるようで、首回りを中心に斑状に白毛に生え変わりつつあるようだ。日本国内では、北海道と奄美諸島を別にして、本州・四国・九州に、通常目にする野兎が生息している。ただし、白毛となる野兎は東日本だけで、西日本では茶色というか、黄褐色のままである。ここで一つの疑問が頭を過る。それは「因幡の白兎」だ。西日本に白兎がいない筈なのに、「因幡の白兎(素兎)」に登場する兎は白毛となっている。ただ、「古事記」の訳注に白兎と書くと月の異名になるので、動物である事を示す為に"素兎"書いたとある。また気になったのは、ワニに毛をむしられてしまったその治療方法に蒲の穂黄を身体に付着させて治療したのだが、その後の記述には「これ稲羽の素莵ぞ。今者に、莵神といふ。」この記述は、元の姿に戻った莵の姿が称えられている。しかし、たまに西日本にもアルビノ種の様な白兎が現れたという事実がある事から、「稲葉の白兎」に登場した白兎も、特異なアルビノ種であったのかもしれない。
f0075075_201647100.jpg

画像は、亡き翁が木の根の穴に隠れていた野兎を素手で捕まえたものを撮影させてもらったもの。翁曰く、大山兎である。ところで、赤田光男「ウサギの日本文化史」に面白い記述があった。それは中国明代の李時珍「本草綱目」の「兎」の箇所である。

「兎は明月の精。兎は潦を以って鼈と為り、鼈旱を以って兎と為る。」

これは、大雨で兎が「鼈(スッポン)」と為り、旱で鼈が「兎」と為るという、兎と鼈が互いに変身するという事である。これは「魚三千六百に満つるときは、即ち蛟竜之れを引きて飛ぶ。納鼈之れを守れば即ち免る。故に神守と名付く。」に関連付けられて認識されたようだ。竜は蛇でもあった。しかしその蛇は、古代中国では、悪しき存在となっていた。疾病の「疾」の漢字の中に在る「矢」は、蛇を意味する漢字で、広く虫を意味している。つまり人間の体が病んでいる時は、体内に蛇が潜んでいると考えられた。庚申講の夜、人間の体内から抜け出て天帝に、その人間の悪事を報告するのも、三尸という虫であり、蛇でもあった。その蛇が苦手とするのが、亀であった。

玄武というのは北に鎮座する聖獣と云われるが、その姿は亀と蛇が合体したものと云われるが、正確には亀が蛇を噛んでいる姿である。つまり悪しきものから守るのが玄武であり、亀であった。その亀と鼈は同じ仲間であるが、漢字の観点からも、甕や竃の原型は、生物である亀からきている様である。確かに、人間が甕や竃を発明する以前に、似た様な形の亀がいた筈であるから、その亀に習って甕や竃という漢字が誕生しても納得してしまう。ただ、龍蛇も、兎亀も、どちらも水神系に属するのはどうなのかとも思える。しかし、天武天皇時代から行われた大嘗祭が卯の日とされているのは、卯の方位は東方で、時間でいえば朝の六時頃にあたる。つまり太陽の生まれる方位と時間帯である事から、五穀豊穣に最高だと考えられたようだ。しかし、東を護る聖獣は龍でもある。つまり、両水神が並ぶのが卯の日であるのが大きかったのか。
f0075075_2121374.jpg

兎は多産である事から、山神にも産神とも捉えられている。ただ「山神」「産神」のどちらも「サンジン」と読む事から、兎=山神=産神であろうとは思うが、ここに亀が加わる。宮城県の一之宮である塩竈神社は、安産祈願として小牛田の山の神神社とセットで参拝するらしい。正確には、小牛田の山の神神社に参拝し安産祈願をし、塩竈神社で護符を受けるのだという。兎は月と関わりの深い水神であり、多産な事から山神と産神と結び付いているが、ここでは鼈(スッポン)と同じ流れを汲む竃が、山神と結び付いて安産の助けをしている。ここで意識するのは、塩竈神社となる。塩竈神社には武甕雷男神と経津主神が祀られているが、これを意識した場合に思い出すのが、鹿島神宮である。「鉄の蛇」に詳しく書いたが、本来は竜蛇神を祀っていたのが鹿島神宮であったが、後から武甕雷男神が祀られた。しかし鹿島神宮の神は、海の底にある甕にいるという。そう、鹿島神宮にも甕=亀が登場している。竃神を調べると、竃とは悲運なものを囲う物とされている。となれば恐らく、塩竈神社は悲運な水神が祀られているのだろうか?「兎と亀」の話ではないが、兎と亀を調べると、また違ったものが見えてくるようである。
f0075075_21294683.jpg

by dostoev | 2015-10-29 21:24 | 動物考 | Comments(6)

満月の昇る日(2015.10.27)

f0075075_18431112.jpg

今日は満月だと、高清水山から久々に満月を見ようと車を走らせていると、北の空に停滞している平坦な雲の外れに、立ち上がっている一筋の雲を見つけた。
f0075075_18433550.jpg

まるで龍が、かま首を持ち上げている様にも見えた。雲龍か?数枚撮影した後、高清水山の展望台へと向かった。
f0075075_19511510.jpg

六角牛山は、夕日で赤くなっている。
f0075075_18451357.jpg

待っていると、やがて満月が昇って来た。風車の背後に赤い月が、その存在感を示す。
f0075075_18471542.jpg

f0075075_18584574.jpg

空には雲が漂っているが、山と空との境界辺りは雲が薄くなっている為、月がよく見える。
f0075075_18493355.jpg

f0075075_18494611.jpg

ある程度昇ると、薄雲に覆われ、朧月となってしまった。

撮影の帰り道、何故か車の前からなかなかどかない雉の雌?に遭遇。
f0075075_9243093.jpg

by dostoev | 2015-10-27 18:59 | 遠野情報(雑記帳) | Comments(4)

闇の訪れ

f0075075_21523956.jpg

百鬼夜行を思わせる雲が、遠野に闇を引き連れて来た。
f0075075_21521940.jpg

不安を感じさせる雲の色合いと造形が、遠野の空を不気味に染めて行く。
f0075075_21532591.jpg

ふと鍋倉山を眺めると、紅葉の赤色が、闇の中に鮮やかに浮かび上がっている。この赤は、秋の最後の発信か。これから、益々遠野の夜が長くなる。
by dostoev | 2015-10-25 22:15 | 遠野情報(雑記帳) | Comments(0)

瀬織津姫の商標登録(続報)

f0075075_7452536.jpg

この瀬織津比咩という酒は、早池峯神社など瀬織津比咩を祀る神社に奉納する為、遠野夢街道という既存の酒に、わたしが「瀬織津比咩」というラベルにしたいと遠野の酒造会社に頼んで出来た酒である。神名を瀬織津姫でなく、瀬織津比咩としているのは、原初に瀬織津比咩が現れた名前に拘っている為である。この酒を、知人を通して欲しいという方がいたので送ったところ、嬉しさのあまりFacebookに、この酒の記事をアップしたら、やはり商標登録した人物から、激しいクレームがきたそうである。特許庁によれば、瀬織津比咩と瀬織津姫では漢字表記が違っても、読み方が同じであれば引っ掛かるという事らしい。今度、再び風琳堂出版から、瀬織津比咩に関する本が出版されるが、そのタイトルに瀬織津姫神(セオリツヒメカミ)と記されのも、やはり「セオリツヒメ」と読まれる時点で引っ掛かってしまうという。さて、これからどうなる事やら。
f0075075_7454455.jpg

by dostoev | 2015-10-24 07:58 | 瀬織津比咩雑記 | Comments(43)

みだれ髪

f0075075_1854224.jpg

ふと西の空を見ると、夕焼けで赤くなっているところから、髪の毛の様な黒くて細い雲が、乱れる様に伸び上っていた。まるで、みだれ髪の様に感じた。

人かへさす暮れむの春の宵ごこち小琴にもたす乱れ乱れ髪

今はゆかむさらばと云ひし夜の神の御裾さはりてわが神濡れぬ

とき髪に室むつまじの百合のかをり消えをあやぶむ夜の淡紅色よ

「みだれ髪」という言葉を知ったのは、与謝野晶子の「みだれ髪」からだった。そのみだれ髪に綴られた詩は、かすかなエロスを解き放ち、そして、どことなく女でしか成り立たぬ呪術の匂いがした。
f0075075_19385346.jpg

そのみだれ髪のイメージを恐ろしくも具現化した漫画が、押切蓮介「ゆうやみ特攻隊」に登場する、悪霊としてのみだれ髪だった。みだれ髪の降臨を示すかのように、山の頂におどろおどろしく無数に伸びる髪の毛。女の長い髪の毛は、ゾウをも縛り付けると云われるが、それは強度だけの意味では無く、呪術的な意味合いを有している。「日本語源大事典」で調べると、髪の毛の「毛」は、「気」でもあり「生」をも意味している。天武天皇時代、巫女は髪を結わなくても良いと発布した天武天皇の意図は、巫女の霊力をぞんぶんに生かす為であったのだろう。髪の毛から霊力が迸ると考えられ、通常は髪を結うものを、神降ろしの時に、その髪を解き放ったのは、まさに”髪の気”であった為だろう。
f0075075_204147.jpg

女性の長い髪に呪術的な意味合いを感じていたのは、何も日本だけでは無かった。英語で、髪の毛を表す「hair」の形容詞は「hairly」で、「ぞっとする」「薄気味悪い」「ショッキングな」などの意味も持ち合わせている。「四谷怪談」で毒を飲まされたお岩さんが髪を櫛で梳く場面で、髪の毛がごっそりと抜けるシーンは観客も、お岩さん本人も、まさにショッキングなシーンであった。長い髪が女性の頭部に付属しているから、それは普通に感じるもの。しかし、その女性の頭部から抜け落ちた髪が、以外に所に落ちていたら、絡み付いていたいるのを見た時、ぞっとする人は多いだろう。柳田國男「桃太郎の誕生」に紹介されている縁側で髪を梳く事を古くから忌んでいる伝えがある。縁側で娘が髪を梳いていて、一陣の風が抜け落ちた髪を、神の依代である庭の樹の梢にかかった場合、神の怒りに触れるという者だ。俗に、樹木に降臨するのは女神であるという言い伝えがある。昔、霊山などの殆どは女人禁制であった。その霊山に生えている樹木は、髪の毛の様なもの。その樹木である髪の毛に、人間の女性の髪の毛が触れるのを、山の女神は良しとしないだろう。毛は気であるから、ある意味それは「気あたり」でもある。女神の気に触れた女性の気は、そのまま女神の怒りに触れるのだろう。また、夜に爪を切るな、夜に髪を梳くなという禁忌もあった。夜に爪を切ると親の死に目に会えないとも云われるが、夜という闇の時間帯は、神々が蠢く時間帯でもある。古くから伝わる神社の神事の殆どが夜に執り行われるのは、神々の時間でもあるからだ。その夜に爪や髪を梳いて、綺麗に片付けないと神の怒りに触れるのは、先に紹介した通りの事と同じ。
f0075075_20421193.jpg

髪の毛とは、「気」を放つ道の様なものである。「カミ」の「カ」は、上を意味する言葉で、その原型は太陽とされる。「カミ」の「ミ」は「身」であるから、つまり「カミ」とは「太陽神」を意味する事になろうか。つまり「髪の毛」は「神の気」であり、その神の気が荒ぶるから「みだれ髪」になると考えて良いのだろう。そういう意味から、与謝野晶子の「みだれ髪」の詩を、妖しくも恐ろしく感じてしまったのは、当然の事であったか。
by dostoev | 2015-10-23 20:58 | 民俗学雑記 | Comments(0)

熊の話

f0075075_19463762.jpg

最近の事であるが、ある翁が、こう言った。「今年になって、熊が500頭は駆除されたと聞いた。」と。500頭は有り得ない話だが、それが50頭にしても、かなり多いので、翁はガセネタを掴まされたか?と思ってしまった。

平成6年(1994年)9月3日に、遠野の水光園で「日本ツキノワグマ集会in遠野」というフォーラムが開催された。それは、ツキノワグマの個体数の減少から絶滅の危機を感じてのフォーラムであった。しかし、その後に保護されてきたのか、ツキノワグマの個体数は増加しているという情報を聞いたのは、もう10年くらい前になってしまうか。

最近になってから、絶滅したと発表された九州の熊の目撃情報が相次いでいるらしい。ただし、遠野と違うのは、山で目撃されている事だ。遠野の場合は、春から有線放送で、熊目撃情報が頻繁に流れるのだが、大抵は人の住む里で目撃される為に放送されてしまうのが現状だ。その九州の熊の目撃情報は、殆ど山中であるらしい。つまり、熊は山を下りなくても生活できる環境が、九州の山にはあるという事か。ただ遠野の熊は、いつしか山を下りて里で餌を漁るのが遺伝子に組み込まれたのでは?という話を聞いた事がある。遠野の道の駅である風の丘に、岩手県の航空写真が飾られている。遠野を確認すると、茶色か深緑の色合いが遠野の自然の色になっている。これが岩手県、宮城県、秋田県、山形県にまたがる国定公園となっている栗駒山系を見ると、綺麗な新緑の緑になっているのは、やはり自然が自然のままに生きているからなのだろう。遠野の深緑の色は、殆ど杉の色であろうし、茶色は伐採された禿山が航空写真に写り込んだものであろう。
f0075075_215514.jpg

そういう自然が壊れつつある遠野であるから、熊は山から里に下りて、食べ物を探すのだろう。そうなれば、人との接点が過密になる。農地に侵入して荒らす熊がいる場合、地主は市役所に申請して、画像の様な熊用の罠を猟友会に設置してもらう。この罠に熊が入ったら、殆ど殺傷処分となってしまう。さて冒頭の500頭駆除したという情報は、この様な罠に、500頭もの熊が入った事を意味する。
f0075075_21115518.jpg

 ある年に、やはり多くの熊が駆除された時に、地元の肉屋に熊肉が入荷していた。つまり、ただ殺傷処分するだけでなく、肉は食用にまわるのであった。その為、駆除された熊は上の画像の様に、速攻で喉元に刃物を入れられ、血抜きされる。そして爪などは、キーホルダーなど、細工物に加工される。熊もまた、捨てるところが無い生き物でもある。だがしかし、今年はそれほど熊肉が出回っているとも、聞いた事が無い。恐らくだが、500頭も駆除されたのは熊では無く、日本鹿ではなかろうか。以前は群れ成していた無数の日本鹿が、最近は殆ど見る事が無くなってしまった。確かに、多くの鹿が駆除されているとは聞いている。実際に、春先にはテレビの岩手県ニュース(もしかして、去年?)で、遠野市長が農作物に被害を及ぼす日本鹿の撲滅運動の陣頭指揮に立っていた映像が流れていたのを思い出した。それ故、今回の500頭もの駆除は、熊では無く日本鹿の事であったのだろう。この前、早池峯神社に向った観光客が、途中の神遺神社に立ち寄った時に、何やら音がするので、神社の裏を見ると、熊がいたので驚いたそうだが、真っ先に熊が逃げて行き、自分も同時に車に逃げたそうな。そう、熊と遭遇した人はわかると思うが、遠野に生息する野生動物の中で、熊が一番臆病ではなかろうか。だからこそ、「遠野物語」や「遠野物語拾遺」には、猿や狼と比較して熊の話が少ないのは、人間を直接襲う事が少なかったせいでもあろう。そういう私も、熊と直接何度も遭遇しているが、とにかく人間の反応よりも早く、先に熊が逃げてしまうので、驚くという事がまったく無かった。いつも人を見て逃げる熊に、愛嬌さえ感じてしまう程だ。その熊と、その熊たちが住める様な遠野の自然を、これ以上壊してはならないのだろう。
f0075075_21283793.jpg

ある禿山を農地にしていた団体が、その農地を止めて、山主に返したところ「元に戻して返して欲しい。」と言われたらしい。元に戻すとは、木々に覆われた森にして返して欲しいとの意である。しかし、植林するには、多くのお金が必要になってしまう。そこで行ったのは、ドングリを撒く事であったそうな。ドングリから芽が出て森になるまで、かなりの時間が必要となるだろう。しかし、その森が出来上がれば、熊の餌場の完成でもある。宮沢賢治の作品に「なめとこ山の熊」というものがあるが、その物語の舞台は豊沢ダムの奥にある、ブナの森である。秋口に、そのブナの森へ行くと、よく熊が木登りしている姿を見る事が出来ると聞く。禿山の農地であった場所も、そういう熊の木登りを気軽に見る事の出来るブナの森に出来上がれば、熊の被害も少しは減るのではなかろうか。その時までに、熊を絶滅に追い込まないよう、上手に付き合っていきたいものだ。
by dostoev | 2015-10-20 21:44 | 動物考 | Comments(2)

闇・遠野物語(遠野の河童のおぞましい話 其の二)

f0075075_17343184.jpg

陸中国閉伊郡大槌町の大槌川の附近、正内というところに、一人の娘がいた。この娘、生まれながらに土地の巫女から、水性の物の許に嫁縁の性があると予言されていたという。

その娘が十四歳の夏の或る日、大槌川で水浴しているとて、朋輩の女児ども四五人と共に川に行っていたが、いつもこの娘ばかりは連れから離れて、ある岩のほとりに寄り、身体を水に浸していながら、何事かひそひそと囁く様な態であった。そんな事が、四五日続いていたらしいが、ついにその川に沈んで死んでしまったという。その娘の死体には、白い液体が多量に付着していたという。
by dostoev | 2015-10-20 17:53 | 「闇・遠野物語」 | Comments(11)

「遠野物語拾遺280(鴉呼ばり)」

f0075075_17223780.jpg

鴉呼ばりと言うことも、小正月の行事である。桝に餅を小さく切って入れ、まだ日のあるうちに、子供等がこれを手に持って鴉を呼ぶ。村のかなたこなたから、鴉来う、小豆餅呉るから来うこ。と歌う子供の声が聞こえると、鴉の方でもこの日を知っているのかと思われる程、不思議に沢山な鴉の群がどこからか飛んで来るのであった。

                                   「遠野物語拾遺280」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カラスに餅を投げる習俗は、例えば遠野市青笹町の郷土史である「ものがたり青笹」にも紹介されている。やはり小正月に「カラス、カラス、あんころ餅けっからこうこう。」と歌って、餅をカラスの方へ投げると、その年は良い事があるとされていたようだ。つまり、カラスに向って餅を投げるのが大事で、その餅をカラスがキャッチするかしないかは、重要ではないようだ。
f0075075_1982493.jpg

カラスを有名にしたのは、やはり熊野神社だろう。牛王宝印でもある起請文の文字は、カラスで描かれているのも、庶民受けする要因だったのではなかろうか。そのカラスは「古事記」において、神武天皇を導くよう天照大神が遣わした鳥でもある事から、太陽と結び付けられる。そして餅は正月に鏡餅として飾る事から、鏡の代わりともなる。その鏡の本来は、太陽では無く月を意味する事から、太陽の使いであるカラスに餅をあげるというのは、陰陽の和合を意味するのかもしれない。陰陽の和合とは、要は水と火の結び付きを意味する。「ものがたり青笹」でカラスに餅を投げる事によって良い事が起きるのは、農事についての事らしい。つまり、豊かな水と太陽の暖かさがあってこその、五穀豊穣となる。その民間の呪術が、太陽神の神使のカラスに餅を投げる事なのだろう。
f0075075_191146100.jpg

「カラスの行水」とは、入浴時間の短い事の例えになっている。それとは別に、カラスに代わって女性が水垢離する「カラス垢離」という習俗がある。東京の王子神社は、熊野権現を勧請した神社である。その神社に伝わる「若一王子縁起」には、「烏不浄の物を喰ふ時は王子川にて女水浴すこれを”からす垢離”といふ」とある。昔から熊野三山は浄、不浄を受け入れる地とされ、他の山々とは違い女人の参拝も許していた。だからなのか、その等価交換としてのカラス身代わりなのだろうか?

今は昔の話だが、遠野市小友町の五輪峠を越えると、奥州市に入る。そこに、遠野の人達から”鴉神社”と呼ばれる熊野神社がある。なんでも婦人病や安産に効くという事から、小友町の御婦人方は歩いて五輪峠を越え、わざわざ鴉神社まで参拝に行ったそうである。考えて見れば、五穀豊穣も安産も、豊かな実りを期待するものである。それらが広義的に捉えられ、広く熊野神社とカラスが親しまれて来た要因であろうか。また熊野権現そのものも、女性を受け入れる女神であったのも、大きな要因であるかもしれない。
by dostoev | 2015-10-18 19:56 | 「遠野物語拾遺考」280話~ | Comments(2)

瀬織津姫の商標登録(憲法違反)

f0075075_11335360.jpg

驚いた事に、知人から「瀬織津姫」が商標登録されたと教わった。神様の商標登録!?そんな馬鹿な人間がいるのかと思ったが、前例として神名を使用して、酒のラベル限定で使用している例はいくつかある。しかし今回の瀬織津姫の商標登録とは、かけれるだけの様々な分野に及んで商標登録をかけているという。つまり、その人物は、瀬織津姫という神が”金の成る木”と判断した為、それを独占しようと考えたのだろう。そういう商売に特化した思考を持つ人間が神様に目を付ければ当然、今回の様に神様を私利私欲の為に独占する手段として商標登録するというのは必然だったのだろう。

「エミシの国の女神」を著し、世に瀬織津姫を知らしめたいと願っていたのは、去年他界した風琳堂氏であった。そして、神秘的で謎を秘めている瀬織津姫を紹介した「エミシの国の女神」に触発されたのは、今回の商標登録をした人物でもあった。本人談としては当初、東京都のM市のお金持ちの御婦人に「世界に発信出来るCDを作って欲しい。」という依頼を受けたという。音楽家でもあるらしいその人物は、先の「エミシの国の女神」に登場する瀬織津姫という神名に魅かれ、世に「瀬織津姫」というCDを送り出したのは、もうかなり古い事になってしまうのか。私は読んだ事は無いが、CD以外にも多くの瀬織津姫に関する書籍を出版しているという。その人物が今回、瀬織津姫の商標登録したという事は、どういう建前があるかはわからぬが、瀬織津姫を知り、瀬織津姫と接しているその過程で、欲に目が眩んだとしか思えない。

問題は、その商標登録が広範囲にわたってかけられている事だ。それにより、瀬織津姫に関する書籍や、神社で出している御札の類も引っ掛かるというのは、特許庁の見解である。神社の問題も大きいが、これから瀬織津姫を研究した論文を書籍として世に送り出そうとする研究者の阻害にもなる。古代史の中で、神そのものに着目して研究している学者は多い。瀬織津姫は、風琳堂氏が世に送り出した様な神であったが、その風琳堂氏の書籍をきっかけに瀬織津姫を研究する学者の発表の場が奪われてしまったという事。

憲法で保証するものに「学問の自由」というものがある。その学問の自由とは「個人の真理の 探究を国家が圧迫・干渉した時に、これを排除することができる権利」である。今回、瀬織津姫という神名を商標登録申請して、それを認可したのは国の機関である特許庁である。つまり、国の機関が「個人の真理探究を圧迫、侵害」したという事に他ならない。まさに今回の瀬織津姫の商標登録は、憲法違反であろう。

だいたい神名とは、普通の個人名と同じである。こういう固有名詞の商標登録をなんでもかんでも認めてしまうなら、様々な弊害が起きるのは目に見える事。特許庁も、お役所仕事の一環で、あくまで”瀬織津姫”という”商品名”の類似が無いかどうかをチェックしたに過ぎないという、国の機関の認識不足が起こした結果でもあった。とにかく、良心によって瀬織津姫の商標登録を自ら撤回するか、外からの強い圧力によって差し止めとなるか、これからの道は二つしかないのではなかろうか。とにかく今回の瀬織津姫の商標登録には、あきれたものであった。
by dostoev | 2015-10-15 12:41 | 瀬織津比咩雑記 | Comments(20)

千葉家まつり

f0075075_7111256.jpg

観光地となっていた千葉家が、10年間にもわたる大改修工事に入る為、その最後の姿をお披露目する「千葉家まつり」が開催される。10年間の改修工事とは、少し長いと思ったが、石垣も全て崩して組み直すと聞いたので、そうとう大変な改修工事になるので仕方ないのだろう。石垣は蛇の巣にもなっていると聞いたが、石垣を崩した時に、多くの蛇が現れるか?
f0075075_7113889.jpg

by dostoev | 2015-10-13 07:18 | 遠野情報(雑記帳) | Comments(0)