遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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カテゴリ:遠野のわらべ唄( 5 )

遠野不思議 第八百五十一話「鎌倉のねんずみ」

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からすぁ母親(あっぱ) 何処行った 万庶越えで 荘越えで 

麹(こおずけ)買えに 罷(まが)った 何升 麹買って来た

四升(すしょう) 麹買って来た

師匠(すしょう)どんの上臈は 神の前で孕んで 仏の前で坊産(な)すた

その坊の名は何と申します つくつん太郎と申します

つくつん太郎の御厩さ なんぼ馬ぁ 買え込んだ

四十六疋(すじゅうろっぴき) 買え込んだ

どの馬の毛色(けえろ)が良(え)え 油めって 照らめって

中の馬の毛色が良え 毛色の良え馬さ

貝に反った 鞍置えで 何処まで乗ってった 鎌倉まで乗ってった

鎌倉のねんずみは あんまり悪い ねんずみで

仏の油ぁ し盗んで 前髪(めぇがみ)にべったぁり 

後髪(うつしよがみ)に べったぁり

京の町に立ったれば 犬にワンとほえられで

明日の町に立ったれば 猫にニャンとえがまれだ

犬殿猫殿許しぇんしょう

戻りにぁ 酒買いましょう 百に米ぁ 一石 十文に酒ぁ 十ししゃげ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上記の歌は「からすあっぱ」という"わらべ唄"となる。伊丹政太郎「遠野のわらべ唄」の中で、「からすあっぱ」は子守唄であるが、遠野のわらべ唄の中で"最も大切な唄"のひとつであると紹介されている。「からすあっぱ」とは、カラスの母親の意味であるが、ここでは熊野権現の使役カラスを意味しているのだと。ある程度の解説が「遠野のわらべ唄」には書かれているが、不明な点もいくつかある。その不明な点は取り敢えず省いて、全体を簡単に説明しよう。

どうやら二部構成になっている歌の様で、初めは熊野のカラスが酒を造る為の麹を買いに行き、つくつん太郎が生れて鎌倉へ行くまで。後半は、鎌倉での悪いネズミの話になっている。酒は霊力を持つ飲み物と理解されており、その酒を造る為の麹を四升買ったのだが、この四升は師匠にかけられているらしく、その師匠の上臈が子供を産んだ話となっている。師匠はどうも山伏系らしく、上臈は女中ではなく、ここでは妾という意味だろうか?もしくは白拍子か。

この「遠野のわらべ唄」では、仏を平清盛だとしている。遠野の昔(鎌倉時代以前)、多くの熊野修験の者が来て、遠野の民に、いろいろな事を教えたという。確かに遠野においても薬草などの山野草の知識や、民間療法は山伏が伝えたと聞く。その熊野修験の大元である熊野三山に対して多くの寄進をしたのが平清盛である事から仏の様な人、それが仏として、遠野のわらべ唄に歌われた様だ。平清盛は、奥州藤原氏とも血筋が繋がる様で、信仰も近似している。相対する源頼朝は、戦神でもある八幡大菩薩を信仰し、平家と共に平和を願う奥州藤原氏をも撃ち滅ぼそうとする悪者という認識があったのだと思われる。その源頼朝が後半"鎌倉のねんずみ"という形で登場している。

鎌倉のねんずみは あんまり悪いねんずみで

後半部の導入が、源頼朝の悪口から始まる。仏は平清盛を言うのだが、油は平家の勢力を表すのだと。木曽義仲や源義経に平家を攻めさせ、勝つ見込みが立ったところで攻め入った狡いやり方をしたのが源頼朝であったと伝わっていたようだ。また今まで奥州藤原氏の統治下でゆったり暮していたのだが、源頼朝の命を受けた阿曽沼氏が遠野を支配してから、厳しい年貢の取り立てに遠野の民は苦しんだという。これらの事から、源頼朝は悪い奴だと認識された。しかしおおっぴらに、それを言う訳に行かない。それをわらべ歌に託して伝えたのが、この「からすあっぱ」というわらべ歌であったようだ。
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ところで疑問なのは"つくつん太郎"とは、どういう存在なのか?「神の前で孕んで 仏の前で坊産すた」という神童らしい。例えば体の小さな者を「ちんちくりん」と評すのだが、遠野では訛る為に「つんつくりん」と言う。「つくつん太郎」を逆にすれば「つんつく」となり、訳すれば「ちいさな童」という意味になろうか?

「童謡(どうよう)」は、子供向けの歌を指すのだが、別に「童謡(わざうた)」とも読む。ところが童謡(わざうた)とは古代において、誰が作るともなく世間に流行った歌であり、民衆の間に広がる作者不明の流行歌という定義がなされている。ある意味、わらべ唄と同義でもある。平安時代中期に成立した「聖徳太子伝暦」という書に、歌の上手な八島という者がある晩突然訪問した人物と歌を競い合うのだが、その歌声が常にあらず、とても人の声には聴こえなかったという。歌合戦の後、その人物の後を追いかけて行くと、空が開ける頃には住吉の海に入って行ったそうな。それを聞いた聖徳太子は「それは、螢惑星でしょう。」と言った。聖徳太子曰く、その螢惑星とは火星の事で、色は赤く、南の空を司る星であると。この螢惑星は地上に降りて来て人の姿に変り、童子たちの間に入って一緒に遊び、好んで歌を作って未来の出来事を予言する様な歌を歌うと云われると答えた。また鎌倉時代末期に成立した「聖徳太子伝記」にも、似た様な事が記されており、微妙に違うのは、螢惑星を「人の世に戦乱や飢えや不作などの災難が起こる時、螢惑星が童子の姿に変身して地上に現れ、人々の間に交じって未来の吉凶についての歌を作り、広く人々に知らせる。」と説明している。最後に聖徳太子は、こう述べている「天に口無し、人の囀を以て事とす。」つまりこれは、流言などの噂話やわらべ歌が、天の意志であるという意味になる。天の意志は民の中に生きていると言って良いのかとも思う。恐らくだが、平清盛が開発したとされる禿という制度もまた、この聖徳太子の言葉を含んで制定されたものでせはなかったか?

置き換えれば支配者の耳を避けて拡がった「からすあっぱ」という遠野のわらべ歌こそ、民の意志であり、天の意志であったという事になるか。遠野の民を支配した阿曽沼氏も、秀吉の小田原征伐の後に没落し、代わりに南部氏が統治した。しかし振り返れば、遠野の民が一番幸せであったのは、阿曽沼氏以前であったのだろうか?それでは現代は、どうであろうか?
by dostoev | 2017-01-06 20:23 | 遠野のわらべ唄 | Comments(0)

遠野不思議 第七百九十八話「早池峯と狼」

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ねんねん おやまの

しろおえぬ

いっぴき ほえれや

みなほえる

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伊丹政太郎「遠野のわらべ唄」に紹介されていた、早池峯の狼の唄。この歌の内容は、こう記されていた。

「ハヤズネサマにはな、白いオオエヌァえるんだと。白いオオエヌはお山のぬしでな、そのオオエヌが吠えるずと、千匹のオオエヌァ集まってくるんだと。だがら…白いオオエヌァ吠ぇねぇうちに早く眠れ。」

「遠野物語」を読んでいると、明治の半ばまではかなりの狼がいたという事がわかる。境木峠・和山方面には、多くの三峰様の石碑が多く建てられているのは、狼の獲物となっていた鹿の生息数が多いからだ。「遠野物語41」の一節には「向の峯より何百とも知れぬ狼此方へ群れて走り来るを…夥しき足音して走り過ぎ北の方へ行けり。」とあり、何故に狼の群れが北へ向かうのかという疑問があった。ただしこの「遠野物語41」が現実であったのか、空想であったのかは定かでは無いが、空想だとしても意味があるものとは感じていた。初めに紹介したわらべ唄の解説には千匹の狼が集まると記されている。このわらべ唄の作られた年代はわからぬが、唄が先にあって「遠野物語41」が語られたのか、「遠野物語41」の話があって、わらべ唄が作られたのかはわからない。ただ言えるのは、狼とは山の神の眷属であり、遠野地方に於いての”御山”としての代表格は1917mという遠野の最高峰の早池峯という山となる。

遠野の人は、死んだら魂は山に昇って行くという信仰がある。高い山であればあるほど、天に近いという事もあるのだろう。そういう意味で早池峯は、遠野で一番天に近い山であった。明治の半ばに狼は絶滅したという事だが、その理由には狂犬病もあり、またその狂犬病にかかった狼の被害から高額な懸賞金がかけられ、人間が挙って狼を狩ったというのも大きかったのだろう。その絶滅の最後のあがきが群れを為して北へ向かったというのは、狼が山の神の使いであり、その山の神とは早池峯の神の使いという事だろう。その狼が死を悟った時、人間と同じように早池峯へと向かったのかもしれない。

たまに早池峯山頂に泊ると、犬の遠吠えら式が聞こえるのは、狼の魂が集まった為の幻聴であろうか?白い動物は神の使いと云われるが、白い狼こそは、まさに早池峯の神の真の使いだろう。その白い狼が吠えると千匹の狼が集まるのは、早池峯が人間でなく狼の魂もが集まる山だという事の証であろう。いちどは早池峯の山頂に泊ってみればいい。狼の遠吠えが聞こえて来るだろうから…。
by dostoev | 2013-12-28 08:51 | 遠野のわらべ唄 | Comments(0)

遠野不思議 第七百六十五話「夜ん鳥ホーイ」

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夜ん鳥ホーイ 朝鳥ホイ

世の中わるいときゃ鳥も無えじゃ

ホーイホイ

あんまり悪り鳥ば

頭わって塩つけで

遠だ島さ ぼってやれじゃ

ホーイホイ

遠だ島に席ぁ無がら

罪獄島さ ぼってやれじゃ

ホーイホイ

                                    「夜ん鳥ホーイ」

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夜来る鳥も、朝来る鳥も、世の中悪い時、作物の採れない時は、鳥が来たって仕方ないが、とっても悪い鳥は遠い島へ島流しにしてしまえ。だが、遠い島が一杯なら、罪獄島へ追い払え…という意味の歌だというが、実際は違う意味を持つという。
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鳥は、実際に嫌われていた。三重県北牟婁郡紀北町の山に伝わる「種まき権兵衛」の民話での、余りにも有名な歌「権兵衛が種まきゃ、カラスがほじくる」というように、カラスだけでなくスズメや他の鳥たちも、人間の植えた種などをほじくって食べた事から、鳥全般は悪と思われ、その鳥から守る為にカカシを設置してきた。カカシのその形態は蛇から発想された様で、昔から害鳥を捕食する蛇は畑の守り神であった。

しかし、畑に悪さをするのは鳥だけでは無かった。それは、今まで年貢と言うものが殆ど無い遠野に、初めて年貢という苦しみをもたらした悪は、阿曽沼氏という存在だった。奥州藤原氏が源頼朝に滅ぼされ、この遠野を統治し、年貢を課したのが阿曽沼氏だった。その阿曽沼氏を"悪い鳥"に見立てて歌ったのがのが、この歌であるという。これが発覚すれば、この歌は禁止されたろうし、この歌を唄った者達も咎められたろうが、元々鳥は百姓にとっての天敵であり、悪であった為に、発覚する事は無かったようだ。為政者に苦しめられた民衆は、せいぜいこういう歌に不満をぶつけるしかなかったのだろう。
by dostoev | 2013-08-22 18:51 | 遠野のわらべ唄 | Comments(2)

遠野不思議 第五百十三話「花さかん ひらいた」

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花さかん 開いた

はさみで ちょんぎりと

えっさか さっさ



遠野の創世神話に三人娘の話があり、蓮華の花が落ちた者が早池峰の山を取るという事になったが、夜中一番上の姉の上に降りてきた蓮華の花を、末の娘が横取りしたという話がある…。

昔から「花盗人は、盗人のうちに入らない」とか「花は三本までなら黙って盗っても許される」「もの種も三粒までななら黙って盗っていい」とも言われた遠野では、早池峰山の神様が許してくださるとされていて、大人でも断りなしで、花とか野菜の種を畑からもらったりしていた。その時に「花さかん ひらいた」を言葉にして盗ったのだという。

ところで余談だが、遠野の大抵のわらべ唄などは山伏が伝えたというが、最後の「えっさかさっさ」というのは、よく駕篭かきが「えっさ、ほいさ」と掛け声をかけるのと同じである。元々ヘブライ語で「えっさ」とは「持つ」という意味であるので、山伏の世界にも古来からのキリスト教の伝道があった事がわかるというものか…。
by dostoev | 2008-02-10 19:31 | 遠野のわらべ唄 | Comments(0)

遠野不思議 第五百十二話「えっけどのにけぇど」

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えっけぇどの  にけぇど

さんぐらこの  しけぇど

はせのかんのん とがくしみょうじん

くまのべっとうさま なぁんじょ

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最後の”なんじょ”とは「なぁ~んだ!」という意味で、謎かけに用いる言葉である。ここで紹介した「えっけどのにけぇど」は、写真にあるように囲炉裏などに吊るす自在鉤に対しての謎かけ唄だ。

一番上にあり火から遠い場所が早池峰山を表し、下の鉤の部分が熱いので、南の熊野なのだと。そして囲炉裏の火は那智の火祭りを表し、鉤に吊るされた鍋の底は、熊野山に例えられているのだと。

そして、この”なんじょ”の中に登場する”はせのかんのん”は有名な「鎌倉」の歌にも出てくる長谷寺の観音であり、”とがくしみょうじん”は信濃の戸隠神社。そして”くまのべっとうさま”は、熊野三山を支配している別当様なのだと。

実は、遠野の殿様であった阿曽沼氏が過去に長谷寺→戸隠神社→熊野というルートで旅をした唄でもあるとも伝えられている。
by dostoev | 2008-02-07 18:35 | 遠野のわらべ唄 | Comments(0)