遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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2014年 06月 17日 ( 1 )

鉄の蛇(日高見とアラハバキ)其の八

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遠野の六角牛山には、天人児伝説が付随している。天人児とは天女であり、一般的に羽衣伝説と呼ばれるものだ。その羽衣伝説は遠野において、六角牛山だけではなく、遠野の各館ごとにも付着してると菊池照雄「山深き遠野の里の物語せよ」で指摘している。

真立館(松崎町松崎 御前沼 荷渡観音 御前様)

小田沢館(青笹町中妻 荷渡観音 御前沼 御前様)

月山神社(上郷町字南田 御前沼 御前様 千手観音)

佐野館(上郷町佐野 御前沼 御前様 薬師観音)

御前(綾織町新田 御前沼 御前様)

天ヶ森館(附馬牛町安居台天ヶ森下 御前沼跡 御水神宮)

荒矢館(附馬牛町荒屋 御前様)


羽衣伝説の伝播は、一つは共通する女神の伝承であろうし、または養蚕の伝えに付随したものでもあろう。または祖先が天から降りてきたという権威付けにも利用されたのかもしれない。ところで遠野においての羽衣伝説と共に語られる沼の御前は、遠野だけではなく遠野をはみ出す形で点在している。それを調べると、全てでは無いのだが、共通する神の姿が見えてくる。そういう意味から、全国の羽衣伝説も、一斉に語られたのではなく、何かの共通性を以て語られたのだろう。

ところで、日本最古の羽衣伝説とは「近江国風土記」と「丹後国風土記」の二つとなるが、その一つの「丹後国風土記」の羽衣伝説は、伊勢神宮の外宮に祀られる豊受大神に結び付けられている。ある意味、日本の頂点に立つ伊勢神宮に祀られる豊受大神が天女と同一視されるのならば、全国の天女の登場する羽衣伝説の背後に豊受大神の影が見えなければならないのだが、残念ながらそれが無いというのは不思議な事でもある。中世になって、内宮の天照大神よりも、外宮の豊受大神重視の祭祀になっているのだが、その影響が全国に感じられないのは何故なのだろうか。ただ、江戸時代になってのお伊勢参りとは、内宮の天照大神に対する参詣では無く、太平の世となった江戸時代に安定した稲作への祈願から、御饗都神でもある豊受大神の参詣が流行ったという事らしい。
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伊勢神宮の外宮に祀られる豊受大神の出自は一般的に「止由気宮儀式帳」によるものとされ、天照大神の御饌都神として連れてこられたのが豊受大神であった。しかしこれは、王権側が内宮に奉仕していた度会氏に対して、天照大神よりも一段低い神格を祀らせ、伊勢勢力の弱体化と従属性を狙ってのものだとされている。しかし、滝の宮である遥宮を祀り、また天照大神の荒御魂を祀る荒祭宮の奉祭にあたっていた磯部氏と度会氏が共謀・・・いや、磯部氏=度会氏とも云われる。

荒祭宮は内宮に所属し、天照大神の荒御霊として別宮扱いしたのは朝廷側であったが、そこから発せられる託宣は無視できないものであり、その荒祭宮の主導権を磯部氏と度会氏が握り、朝廷側に対して抵抗していた。その荒祭宮の託宣などを介して、徐々に力を付けた度会氏は、いつしか外宮の豊受大神に「皇」の文字を付けて祀るようになった。「皇字沙汰文」は、その時の騒動を記している。

「外宮の神の御鎮座の次第は「日本書紀」には見えていない。だが「風土記」には、丹波国与謝郡比治の眞名井に湯浴みした天女と見える。これが外宮の御饌の神である。」

この内宮からの問いに対し、外宮の反論は下記の通り。

「その天女とはワクムスヒの子のトヨウケビメの事だろう。当外宮の御神のことではない。出現の時代といい、祖神といい、豊受大神とは雲泥の差があり懸隔も甚だしい。一口に御饌の神といっても、ある神は神祇官、ある神は機殿、ある神は式内社に祀られている。当外宮においては、調御倉・酒殿に祀る。つまりこれらの神々は種々で、一様ではない。何をもって御饌の神と呼んでいるのか。訝しい。そればかりではない。訴状のいう天女とはワクムスヒの子だが、詳しい書を見るとスサノオの子となっている。このように天女トヨウケビメと豊受大神とはまったく別の神であり、内宮の訴えは、正理に背いた根拠のない申し立てである。」

実はこれ、度会氏が密かに新たな神話の創作を組み込んだ「神道五部書」によって豊受大神の権威付けを施したようであった。その「神道五部書」は奈良時代以前の作だとされていたが、実際は鎌倉時代に作られたものであったよう。その中の「神祇譜伝図記」「御鎮座伝記」によれば、いずれも伊弉諾と伊邪那美が八尺瓊勾玉を空に捧げて化生した神を豊受大神としている。これは「日本書紀」での宇迦御魂命の化生をモチーフに作られたものと云われている。
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これらの作為はとどまる事を知らず、密教の曼荼羅をも導入し、内宮と外宮の位置を確立した。内宮には胎蔵界曼荼羅を導入し、大日如来で日輪であるとし、外宮は金剛界曼荼羅を導入し、大日如来で月輪とし、これにより内宮の天照大神は日天子であり日徳を象徴し、外宮の豊受大神は月天子で水徳の象徴とされた。更に天御中主命との合体によって、天照大神よりも格上の大元神となったようである。
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これらによって、伊勢神宮における天照大神の地位は失墜し、その天照大神を祀る内宮の千木は、天に向けて豊受大神の齎す水を受ける様に内削ぎになったのだという。当然、豊受大神を祀る外宮の千木は、地に向けるよう外削ぎとなった。つまり、天神は豊受大神であり、地神は天照大神となったという事になる。

「神皇実録」によれば、天御中主命は一水の徳によって万物の命を救った。だから御気津の神であるとし、その天御中主命と同体の豊受大神も御気津の神であるとされた。ちなみに"御気津"とは水の古語となり、水はその略語であるらしい。

似た様な名前で本来、豊受大神招かれた御饌都の神はいつしかトヨウカノメであるとされ、御気津と御饌都の違いによって隔離された。このように、荒祭宮からの託宣を機に力を付けた度会氏は、朝廷によって天照大神の下であった筈の豊受大神は、いつの間にか天照大神を凌ぐ神に昇華され、水神としての最高位となった。これらの事実から、度会氏の内宮に対する抵抗とは別に、水神に対する執拗な拘りを感じる。とにかく、本来の豊受大神とは御饌都の神であり、今でも酒殿に祀られている止由気比売であろう。それでは外宮に祀られる水神である豊受大神とは本来、違う神名であったものが豊受大神とされていると考える。
by dostoev | 2014-06-17 13:44 | 鉄の蛇 | Comments(0)