たまたま草木の刈り払いをしていた爺様を見たら、胸から肩にかけて
ナナフシが止まっていた。ちょいと失礼と、その爺様からナナフシを
捕まえた。
実は、ナナフシにお目にかかるのは約39年前に遡る。当時、遠野西
小学校に入学したての1年生の頃、何かの為に学年全体で外に出て
いた時、いまでも付き合いのある同級生がナナフシを手にしていた。
ナナフシは図鑑で知っていたが、見た事も捕まえた事も無かった。
とにかく、その同級生がナナフシを手にしているだけで、羨ましくて
悔しくて…しかし、探してもナナフシを捕まえる事が、ずっとできなか
った。
その積年の想いがやっと叶って、ナナフシをこの手に捕まえる事が
できた。
三つ子の魂百までもというが、当時七歳の自分の思いを46歳になっ
た、今の自分にまで引きずっているのに驚き。やっと同級生に抱いて
いた羨ましさと悔しさから開放された気がする。思念の成仏だ…。