早池峰山は、霊山として女人禁制の戒律が厳重だった…。
昔、一人の巫女が女の身であるが神に仕えるものであるから障りは
あるまいと、早池峰山へと登りかけると忽ち山霊の怒りにふれて登山
を阻まれ引き返してきたが、此処で連れていた犬と共に石に化したと
伝えられている。
石上山の話と似通っている話ではあるけが違いは、石上では巫女が
吹き飛ばされたのに対し、ここでは自力で戻ってきた。また石上での
話は牛に乗って山へと向かったが、ここでの連れは犬である。それと
石上山にある石は「姥石」だが、ここの石は「婆石」である。
平安時代から山伏が山を占拠した為、巫女は山に出入り禁止になっ
たという説がある。
また、昔は性に関する知識が乏しく、女性は人間以外の獣と交わる
可能性があるので、それを避ける為に入山禁止として女性を守った
という説がある。