自分が高校時代に、遠野は小友町の荷沢峠で事件が起きた。
観光バスが峠を走行中、数人が尿意を模様した為に観光バスは臨時停車をして、トイレ休憩となったそうである。ただし公共のトイレの無い場所であるので、正しくは立ちション休憩という事になろう。その中にはバスガイドさんも含まれており、やはり女性であるが故に藪の奥へと入り込んだという。事件は、その後に起こった。そのバスガイドさんの秘部にマムシが侵入してしまい、マムシは内部を毒牙にかけて、バスガイドさんは死亡したという。
新聞の歴史を調べると、昭和9年北海道の西達部村で、やはり花摘みに行き、そのまま昼寝をした若い女性の秘部に蛇が侵入し、内部を食われたとある(本当か?) それ以降、新聞に蛇が女性の秘部に侵入するという記事は無いようなのだが、久々の侵入記事?だったが、実はこの事件の新聞記事は
「臀部をマムシに咬まれ、バスガイド死亡」であった。世間に対する手前、表現を変えたのだろうか?
「古今著聞集」にも、蛇の話はある。元々蛇は湿ったとこが好きなのでよく厠に潜んでいたという。ある家の娘が厠へ用を足しに行こうとしたら、その家の飼い猫が、潜んでいた蛇をかみ殺すという話である。とにかく昔は、厠(トイレ)にも蛇は潜んでいて、こういう事件は起きた様である。
昔の川柳に、下記のようなものがある。
「田舎医者蛇を出したで名が高し」 昔は女性の秘部に侵入した蛇を出す事のできた医者は名医と呼ばれたらしい。しかし現代となって女性の秘部に蛇が侵入する事件は無くなった。これはどうやら下着の変化らしい。昔の女性は腰巻だったので、寝た時の下半身は無防備。ましてや昔の娘達の遊びは、野山に行き花摘みなどをした後に、天気が良いとその場で昼寝する事もよくあったらしい。そんな時に、よく蛇の事故が起きたそうである。それが今では下着が腰巻からパンツと変わった為に、しっかりガードされて、蛇が女性の秘部に侵入する事件は無くなったという。だからこそ、昭和54年に遠野で起きた事件は、貴重なのである。
ところで、こういう女性の内部に蛇が入るのを"開入蛇"と記されている。古来の俗説として、女性に侵入した蛇を抜くには、蛙を近づけるとすぐに飛び出してくるとされていたようである。
戸木田菊次「カエル行状記」には、福島県での話が紹介されている。女性の内部に侵入した蛇をどうしても引き出せないので、恥を忍んで病院へと言った。すると医者は、蛇に対してモルヒネを注射し、簡単に引き出したそうである。また
「耳袋(巻の九)」には、侵入した蛇の体に、胡椒の粉や煙草のヤニを付けると出てくるという話がある。ただ蛇を引き抜くには、どれも胡散臭い方法に思えてしまう。現代となっては、簡単に実験して検証するわけにはいかない内容ではある。