今年もまた、座敷ワラシ祈願祭が執り行われた。毎年十体づつ増え続ける座敷ワラシ人形であるから、本殿には全ての関係者が入りきらない為、去年は急遽、二回に分けて祈願祭が行われたようだった。今年は当初から、10時と12時の二回に分けて行われる事が事前に伝わっている為か、極端な人の殺到は無かったようだ。
10時からの祈願祭に参加する人達が次々と、本殿内部に入って行く。
去年の9時過ぎには、殆ど埋まっていた駐車場が、今年はまだ半分以上空いていた。
座敷ワラシ人形を手に入れて、人は何を期待しているのか?平成初期はまだ、この早池峯神社の座敷ワラシ祈願祭は広く認知されず、正月に座敷ワラシ人形を買い求めた人は、売れ残っていた二体の座敷ワラシ人形のうちの一体を購入出来た。恐らくバブル崩壊以降だと思うが、世の中が不景気になって、藁にもすがる思いで座敷ワラシ人形の噂を聞き付け、人々が集まった気がする。
座敷ワラシが家に入ると、その家は繁栄し、出て行くと没落すると云われる。しかし、座敷ワラシ祈願祭に集まる方々は、不幸続きの日常からの逸脱を求める者。また良縁を求めるとかなどの僅かな幸運を求める異種違いにもなっていたり、妖怪好きのアイテムにもなっているよう。そして接した人々の中には、他にも縁結びの卯子酉神社や、一生に一度の願いを叶えるという能傳房神社、長者に成れると云う、小高い岩山の白山様に登って祈願を併用する方々も又いる。とにかく、あらゆるものにすがる想いで集まっているようだ。