小寒は寒の入りとも云い、寒さが極まる少し手前の頃であり、それが今日1月6日となる。「寒」は1年で最も寒い時期を意味し、小寒である寒の入りから約1か月、立春までを云う。「小寒の氷、大寒に解く」という言葉は、小寒に張った氷が大寒に溶けるという意味なので、言葉のイメージとして「大寒」の方が寒く冷たく感じるが、実は「小寒」の方が寒い場合がある。
外が吹雪いていると寒い気がするが、実は本当に寒い日は、星が輝く晴れ渡った夜が寒い。確かに風は、外気温より体感温度を下げるのだが、晴れ渡った空の夜から朝にかけてが、体の芯まで冷え切ってしまう寒さとなる。ただし、そういう日の夜明けは逆に、あちこちの景色がキラキラ輝いて美しい。冬季に観光しに遠野へ来る人がいるが、そういう晴れ渡って澄み切った冬の朝、外を探索して欲しいものだ。
ところで今日の小寒の日、遠野では雪では無く、雨が降った。それだけ、今年の冬は暖かいのだろう。遠野の諺を調べると、こういうものがあった。
「寒九の雨ァ、三粒降ってもえぇ。」
これは寒の入りから九日目の雨は豊作の兆しだと。遠野の冬を長年経験しているが、確かに雨が降る冬は暖かい冬である。ただ、その年が豊作になったかどうかは、よくわからない。大抵は、寒の入りから雨が降る年は、珍しい方だと思う。とにかく豊作の兆しが寒の入りから九日目とはさすがに細か過ぎるが、寒の入りから雨が降るというのは、さて今年はどうなるのだろうか?また別に、冬が寒いと夏は暑いと云われていたが、最近はそうでも無くなった。記憶に残っているのは、岩手県でインターハイが行われた年の冬は暖冬だったので、今年の夏は冷夏だろうと云われていたが、実際は猛暑になってしまった。一昔前の先人の経験に基づく天気予報も最近は、当てにならなくなったようである。