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鉄の蛇(日高見とアラハバキ)其の三十四早池峯山は何度も語ってきたように、北に鎮座してこその山であった。大迫の早池峯神社が遠野の早池峯神社に向けて建てられているのも方違えの呪法であり、遠野の早池峯神社を経由して、北に鎮座する早池峯山を拝む為であった。 奥州藤原氏の初代清衡が、出羽国、陸奥国両国の一万余りの村毎に一ヶ寺を建立したと云われるのは、新山寺であり新山神社だとされている。その新山神社に祀られているのは玉依姫という仮の名であり、本当の神名は瀬織津比咩であり、それは羽黒権現としても祀られていた。その羽黒権現を祀る山形の羽黒神社には、国宝となる平将門が建立したとも云われる五重塔がある。その内部には妙見神が祀られている事から、羽黒修験は北を重視していた事がわかる。 また、早池峯の麓にある又一の滝だが、恐らく太一の滝からの変化したものであると以前に述べた。それは妙見曼荼羅を早池峯に当て嵌めて見た時に、それがありありと理解できるのだ。そしてそれと同じ構造が、室根山にも見て取れた。山頂は天に通じるもので、滝は民に通じるものであった。 平田篤胤「古史伝」では「必ずここは大虚の上方、謂ゆる北極の上空、紫微垣の内を云なるべし。此紫微宮の辺は、高処の極にて天の真区たる処なれば、此ぞ高天原と云べき処なればなり。」と、高天原を称して述べているのは、高天原が本来、北辰崇拝に基づくものと考えたからである。そして妙見では、五と三の数字を重んじる。北極五星は天上の最も尊貴な星とされるのだが、その中でも三星は特に尊い星とされている。その三と五の組み合わせに関する神話が「古事記」に登場する。それは天照大神と素戔嗚尊による誓約の場面だ。そこで三女神と五男神が生れるのだが、その後の扱いを見ても、三女神の扱いを重視しているのは、三女神と三星が結び付くからと考える。その三女神は宗像三女神で、水神である。その宗像三女神の中でも多岐都比売命を祀る中津宮である大島には星の宮があるのを知った。またその大島には星の信仰をしたであろう安倍一族の安倍宗任の墓も存在する。以前、多岐都比売命は瀬織津比咩であると書いたが、星を通してここでも繋がる。とにかく「古事記」に於いても、水神と星神の結び付きが成されていたのである。 そして「早池峯山妙泉寺文書」によれば、筑紫の宇佐八幡宮から宝剣が伝わっている。 早池峰山大権現之御宝剣ハ 筑紫宇佐住八幡宮息細工スト伝 陰分ニ細工成就スルカ放ニ銘ハ陰光ト打 前代未聞之宝剣ト伝申 右御宝剣妙不思議数度有之由 由来伝ル者也 当時現在之密僧等信シテ可守護者也 拝見之砌者 十七日之間精進潔斎 早且 着浄衣スト 往古ヨリ伝之 猥リニ不可拝見伝々 当時現住未世之僧等謹テ可守護乃也 何故に宇佐八幡宮から宝剣が伝わったのか謎であり、その宝剣が今どこにあるのかも謎である。ただ一番の問題であり驚きは、蝦夷国であった遠野という田舎の地に鎮座する早池峯妙泉寺に宇佐八幡宮から宝剣が伝わっていたという事だろう。 また別に、六角牛山善応寺の由緒が「早池峰山妙泉寺文書」に記されている。六角牛山善応寺とは、かなり以前に廃寺となった伝説の寺院である。そこには住吉四社の本地として 「第一殿薬師 第二殿大日 第三殿弥陀 第四殿六角牛新山宮」とあり、神道の垂迹として「第一坐天照大神 第二坐宇佐明神 第三底筒中筒表筒 第四坐神功皇后」とある。取り敢えずの違和感は、薬師の垂迹に天照大神が坐し、大日如来の垂迹としてあるべきの天照大神の代わりに宇佐明神が坐している。密教系の教義によれば、大日如来の垂迹は不動明王となっている。それが六角牛善応寺よれば、宇佐明神となる。それでは、この宇佐明神とは何であろうか? 早池峯山妙泉寺であり、早池峯神社の創建が大同元年、六神石神社の創建が大同二年と一年のズレがある。岩手県内には、広きに渡って多くの大同二年創建の神社仏閣があまたの如くあるのも、やはり坂上田村麻呂の蝦夷征伐と呼ばれたものに対応しているのだとは感じていた。当初の寺院の殆どが天台宗の影響を受け、その開祖に慈覚大師円仁が登場している。その円仁の誕生の地は常陸国である事から、その円仁の祭祀傾向を常陸国の祭祀から探して見てみる事にした。 常陸国の「金砂両山大権現縁起」では、主となる祭祀神社は二つあり、東金砂山と西金砂山の神社が一番古い形であるようで、やはり円仁が関わっていた。西金砂山が本宮らしく、創建が大同元年であり、そこには大己貴命であり千手観音が祀られ、東金砂山の創建は大同二年となり、そこには少彦名命であり薬師如来が祀られていた。陸奥国も含め、常陸国でも神社仏閣の創建年代が大同元年、大同二年とするものが多いが、一つの法則があった。 伊勢神宮に本宮と外宮があるように、どうも両宮方式を採用して祀っているようであった。何故に大同の年号が多いのかという理由も、恐らく坂上田村麻呂の功績を神懸りと考え、その神威を付随させる事によって東国の経営にあたったと考えられているのが一般的の様である。その坂上田村麻呂に関係する「清水寺建立記」には、陸奥国在任中の田村麻呂将軍が、大同元年十一月二十七日付の書状で、清水寺に氏寺の建立を願ったとあり、その清水寺の氏寺としての概念に坂上田村麻呂の神威を結び付け、陸奥国に多くの大同元年、二年の神社仏閣が建立された要因であったようだ。これらから早池峯と六角牛に結び付けてみると、本宮と考えられる早池峯には千手観音、もしくは十一面観音が祀られ、別宮であろう六角牛には、薬師如来が祀られたという事だろう。これは天台宗が国家鎮護の思想に則って考えられたもののようで、千手観音&十一面観音の垂迹である、大己貴命と少彦名命をみれば、国家の形成、新たな国造りを願っているのがわかる。 六神石神社には確かに少彦名命の伝承があり、薬師如来が祀られている。早池峯には十一面観音が祀られているが、大己貴命に対応するのは恐らく「遠野物語拾遺126」にも紹介されている、三面大黒の話がそれであろう。大己貴命は大国主の別名と云われ、その大国主は大黒様と重ねられ広まっている。国造りとしての少彦名命であり薬師如来は、薬師としての国の使命であったろう。薬の民俗を調べると薬は単に薬としてでなく、国民の命を護ろうとする国家思想の礎の一つであった。その国家形成の概念が、早池峯と六角牛の里宮に施され、恐らく二重構造として、早池峯山と前薬師と呼ばれる薬師岳に施されたのだと思う。 とにかく、宇佐明神が湍津姫であるならば、早池峯神社に奉納された宇佐八幡宮の宝剣と、六角牛に祀られる宇佐明神から、早池峯及び六角牛と宇佐との関係が見えてくる。以前「三女神伝説(多岐都比売命と瀬織津比咩)」において、櫟谷宗像神社の祭祀形態から、湍津姫は瀬織津比咩であると確認した。これらの情報から早池峯神社に祀られる瀬織津比咩という神は、宇佐八幡宮と宗像大社との縁が深い神である事が見えてこよう。何故に早池峯神社に宇佐八幡宮から宝剣が奉納されたのかは、宇佐八幡宮の姫神と同神が祀られていたからと考えれば納得するのだ。そしてそれは一年のズレが生じながら、天台宗の祭祀法に則って六角牛にも祀られた。つまり、早池峯&六角牛には、同じ神である宇佐の姫神であり、宗像の湍津姫である、瀬織津比咩が祀られたのだろう。
by dostoev
| 2014-10-03 09:48
| 鉄の蛇
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