今日の、観光ガイドの目標は、霊山でもある笠通山だった。その前に、中腹にある妖怪キャシャという化け猫が岩になったという伝説の猫岩へと寄ってみた。
連れてきたS君は、猫岩に手を掛けながら上に登ろうとしている。予想より大きな岩で、意外だと感想を述べていた。
さあ、猫岩の次は笠通山の山頂を目指す事となった。車で途中まで登り、あとは歩いて山頂を目指す事に。歩いている最中、マムシを踏まない様、足元には注意して。また木に、クマが登っている可能性もあるから木の上にも注意を払わないと…と話している最中の事だった。
「GOさん、ヘビを踏んだみたいですよ。」
S君に言われ…ん?と思って確認したら、言っている傍から自分がマムシを踏んでしまったようだ。恐らく、マムシの尻尾の先を踏んだのだろう。逃げる様に藪に入ったマムシをカメラで追ってみた。
とにかくカメラを近付けて、マムシが噛み付いてくるシーンを撮影しようと思って、近付いて見た。普通の広角レンズなので、近付きすぎてピントが合ってないのはお許し下され。しかし、その甲斐あってか、最後は噛み付いてくるシーンまで動画で撮影できた。
そして、少し歩くと今度は2匹目のマムシに遭遇。もう一度、近付いて撮影してみた。マムシはとにかく、ガラガラヘビのように尻尾を振るわせて音を出し、威嚇している。とにかくマムシ以外のヘビは人間の気配を察知すると、早く逃げるのだが、マムシは然程逃げようとはしないので厄介だ。過去に、マムシを踏んで噛まれた人もいるのだが、今回は踏んだ箇所が尻尾の先端だった為に、マムシも攻撃するより驚いたので、少し逃げたのだろう。しかしそれでも遠くへと逃げずに、直ぐに体制を立て直してこちらの様子を伺い威嚇する様は、やはりマムシは遭遇したくない生物の一つである。
笠通山の山頂からの帰りは、鱒沢方面に下る林道を通って鱒沢へと向かい、今度は穴あき淵という河童淵を対岸から確認した。実際は直接、穴あき淵へ降りようと思ったが、思ったより草が生い茂って足場が不安定な為に、対岸から確認する事にしたのだった。午前中から行動を始めて、もうお昼を過ぎてしまったので、今日の観光ガイドは無事に終了という事にした。S君も、初めて野生のマムシを垣間見て嬉しそうだった。噛まれたら悲惨だったろうが、何も無ければ楽しいひと時で済んでしまうのである(^^;