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「わたしの怪奇体験談(その14)」
わたしは帰るなり、一目散に風呂場へと向かった。すべてを洗い落とし、さっぱりとして、風呂から上がったわたしであった。と、そこへ…。
「食事、どうします?」 若い番頭らしき者であった。 「ああ、昨日と同じ時間でいいですよ。」 「いや、お客さん…。実は今日、大阪から女子大のグループが来てるんですよ。ですから、お食事など、ご一緒しては?」 「そうですか…いいですね…。はい!」 まさに、一喜一憂の一日である。これで今までの分は、挽回出来るかもしれない。やはり、こうでなくでは、旅はつまらんのだ。 『そうか、女子大か…。うん、うん…。』 こうなるとわたしの頭の中は、女子大生に対する対応の仕方で一杯になってしまった。 『何て、話しかけよう…。やはり、大阪弁なんだろうな…まあ、いいか。可愛い娘、いるかな?』 などと、やはりわたしも普通の男であったのだ。カッコイイ一人旅を、というよりも、初めから礼文島に期待した、女を求めたのである。ソワソワしながら、わたしは部屋でお呼びがかかるのを待っていた。既に、下の方から〃声〃が響いている。すると、 「お食事の用意が出来ましたので、どうぞ食堂へ。皆さん、お集まりですよ。」 「はい、わかりました。今、行きます。」 わたしは案内され、〃ときめきの食堂〃へと向かった。「キャー、キャー。」と、随分 騒がしい。 「さあ、どうぞ。」 と、食堂のドアを開けて貰ったのだが、その食堂の様相は、わたしの予想を遥かに上回っていた。 『へっ!…。』 なんと、食堂の座席をすべて覆い尽くすかの様な、女体の群れ、群れ、群れであった…。ざっと50人はいたであろうか。今日は雨で何も出来なかったのか、有り余るパワーを、その女体の群れから感じとった。何故なら…「ギャーギャー、ビャービャー」どうしようもなくうるさいのだ。民宿の人に、空いている席に案内されたのだが、その群れはわたしを無視するかの様に、騒ぎ続けるのであった。 「それじゃ、そちらのお客様とご一緒に、お願いしますね。」 「はい。」 と、ひとつのテーブルを占拠していた、女体のグループの一人が言った。 「すみません、お茶碗…。」 わたしにゴハンを盛ってあげようとして、一人の女性が手を伸ばした。 「あ、はい。すみません、どうも…。」 どうやら緊張し借りて来た猫の様な、わたしであった。いや、緊張したというよりも、あまりの群衆に圧倒されていると言った方が、適切かもしれない。 「どうぞ。」 と、にこやかにゴハンを渡して貰った。 「あ、どうも。」 わたしからは、どうも気の効いた言葉が出てこない。ただ「はい。いいえ。すみません。どうも。」こんな言葉だけしか、口から出てこないのだ。当初わたしは、女子大のグループというから、せいぜい5人程度だと思っていたのだが、それが10倍なのだ。50VS1。ランボーならばどうにか出来るのだろうが、わたしはそこまで極まってはいないのだ。わたしは、ただただ、圧倒された。女もここまでの人数が集まると、可愛いとか、美しいとかの問題ではない。単に…うるさいだけなのだ!この時わたしは食欲がなく…いや、なくなり、茶碗一杯で食事を終えた。 「お代わり、どうですか?」 と、わたしに対する気遣いをみせてくれたのだったが、どうにも食欲が無くなってしまったわたしであった。 「それじゃ、御馳走さま。」 と、一言残し、わたしは悪夢の食堂を後にしたのであった…。 部屋に戻ると、ドッと疲れがきた。どうにも眠くて、仕方が無かった。何と言っても、普段起きた事の無い5時起きであり、あの5時間の道程である。絶対に疲れ、眠くならない方がおかしいのだ。だが、だがである。まだ6時なのだ。礼分島まで来て、この時間に寝るとは勿体ないのである。わたしは眠いのを我慢し、夕暮れの礼文島を見に行くことにした。 雨は完全にあがり、美しい夕焼けに染まる、礼文島の海であった。わたしは北海道各地を巡ったが、すべて朝焼けも、夕焼けも美しいのだ。広い大地のせいであろうか、北海道の太陽はやけに大きく見える。さらに、朝日が昇るのは早く、夕日が落ちるのは遅いのが北海道なのだ。それ故、東窓であるならば必ずカーテンを閉めることである。何故なら、朝の3時過ぎには太陽が昇り、あまりの眩しさの為、目が覚めてしまうのだから…。 わたしは裸足になり、沈む夕日に向かい、海に入って行った。オレンジ色に染まった海の輝きに包まれ、わたしは、わたしの黄金時代を見つめた。 「…。」 そして足下を見ると、そこには…ウニがあった。ウニはわたしの大好物である。ここで見逃す手はないのだ。わたしは〃花よりダンゴ〃に従い、夕日よりもウニを選んだ。あまり大きくはないが、ムラサキウニ、バフンウニ、どれも食べるには十分な大きさであった。 拾っては食べ、拾っては食べ、わたしは満足しながらその行為を行った。その行為を続けるに従い、わたしはウニの他にあるものを見つけた。それは瑪瑙であった。そういえば、礼文島の売店には瑪瑙が置いてある。瑪瑙もまた、礼文島の名物なのであろう。わたしは、なるべく大きいものだけを探した。変な物を買うより、良いオミヤゲになるからだ。だが、間も無く夕日が完全に沈み、わたしはその探索を諦めた。そしてわたしは、海に別れを告げたのである…。 真直ぐ民宿に帰ると眠ってしまう恐れかあるわたしは、そのまま昨日入った喫茶店に向かった。時間を稼ぐべく、わたしはコーヒー一杯でどれだけ粘れるか頑張った。過去に於けるわたしの喫茶店最高時間は、5時間である。それを達成したのは、札幌市狸広路7丁目、喫茶『ウィーン』であった。『ウィーン』は音楽喫茶で、クラシックばかり大音響で流していた。 わたし自身のクラシック初体験は小学6年生の時だった。ベートーベン交響曲3番「英雄(エロイカ)」というタイトルが妙にカッコよく思えてレコードを買ったのが初めてだった。ただメインで聴いていたのは映画音楽であった。映画音楽には、あらゆるジャンルが含まれており、その中でも大オーケストラものに心踊ったものである。それ故、クラシックに入ったのも自然な流れであった。 また、喫茶店での最高時間は5時間なのだが、ファミリー・レストランでの記録の方が大幅に上回っているのだ。場所は東京葛飾区、千代田線の亀有にある『ジョナサン』というファミリー・レストランでのことであった。 東京の夏は蒸暑く、窓の小さなわたしの住んでいたアパートでは、どうにも暑くて過ごし難く、わたしは冷房を求め、近くにあった『ジョナサン』へと入っていった。通常のファミリー・レストランとはコーヒーのお代わりが自由で、何杯でも何杯でもコーヒーを飲むことが出来るのだ。わたしはそのシステムに甘え、結局午後9時から、午前8時までの十一時間、コーヒーを飲み通しであった。しめて49杯で、ボルテールには勝てなかった。 実はフランスの思想家ボルテールが、当時のフランスにおいて一晩で50杯以上のコーヒーを飲むと死ぬという俗信があったのだが、なんとボルテールはアッサリ一晩で56杯を飲みケロッとしていたそうである。ボルテールが死んだのは80歳を過ぎてからであるから、コーヒーを飲み過ぎて死ぬとの俗信は、やはり迷信であったのだろう。 結局わたしは、礼文島の喫茶店で1時間しか粘れなかった。だがわたしは明日一番のフェリーで礼文島を去ることにしている。現在20時に数分足らず、どうせ明日は早いのだから、もう寝たとしてもおかしくないのだ。だから寝る為、わたしは民宿に戻ったのである。 民宿へ戻ったわたしは、素早く眠りの態勢に入った。目をつむり、寝よう、寝ようとした。が、眠ることが出来ないのだ。何故なら、うるさいからである。喧しいからである。例のあの、女子大グループであった。雨の為、どこにも行けなかった欲求不満からであろう。その不満を、夜の民宿にぶつけているのだ。 『うるさいな…。本当にうるさいな。眠れんな…。クソッ!』 女に向かって怒るわけにもいかず、わたしはただただ我慢し、自然の眠りを待った。が、女の声ははけに気になるもので、まったく眠ることが出来なかった。いくら女でも、わたしの眠りを妨げるならば、可愛さ余って憎さ百倍である。だが、文句などとは…男がすたる。わたしは怒りをじっと我慢、我慢、我慢し、いつも間にか寝てしまったのだ。明日に向かっての眠り、今日の疲れを癒す眠りである。明日は礼文島を出るのだ。誰かわたしを、ゆっくり眠らせてくれ! 朝7時に起きたわたしは、もう一度礼文島の周辺を散歩し、8時過ぎに朝の食事を済ませ、礼文島を後にした…。 予定通りにはいかぬ旅ではあったが、何とも言えぬ、強いインパクトをわたしに与えた旅であったことは、実感している。思うに…やはり、楽しかったのかもしれない。いや、楽しかったのだ!だから未だ、印象深く残っているのだ。そうに決まってる…。 12時に、わたしは稚内に着いた。駅前にあったラーメン屋でミソラーメンを食べ、昼メシを終えたわたしであった。後は、どこへ行くかである。わたしは礼文島以外、どこに行くか考えていなかったのだ。 『どこに行こう…。金もあるし、まだ帰りたくないし…。』 わたしはユース発行の、パンフレットを広げてみた。見ると、近くに温泉があるという。わたしの中に『温泉に入りたい、入りたい。』といった欲求が広がった。こうなると行くしかないのである。わたしは常に、自分自身に素直になりたかった。〃やりたい〃、〃いきたい〃を我慢するのは、体に毒であるからだ。わたしはすぐ、次の列車に乗った。目指すは、温泉のある『豊富』である…。
by dostoev
| 2013-04-19 17:20
| わたしの怪奇体験談
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