遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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「わたしの怪奇体験談(その7)」

第五夜 疑問、ドロボウ?そして…。

 朝の十時に、幽霊屋敷で一緒だったマッコが訪ねてきた。

「ゴ~ぢゃ~んっ!」

 わたしの祖母が、いつもながらのでかい声で、わたしを起こしてくれた。友、または電話がくると必ず、血管が切れるのではないか?というこのでかい声を出すので、いつもわたしは友に祖母の真似をされて、からかわれていたのだ。その声の数秒後、マッコがわたしの部屋に入ってきた。

「おうっ!」

 わたしは元気よくマッコに声をかけた。が、マッコはどことなく元気なそそうであった。

「ゴー、ちょっと話あんだけど…。」

「んっ?ああ、ちょっと待って。」


 わたしはベッドから離れ、その場に投げて捨ててあった服を身につけた。

「そうだな、『茶房』に行くか。」

「ああ。」


 わたしは親に顔を出さずに、真っ直ぐ『茶房』へと向かった。
                   

 朝の十時の『茶房』は、まだ客の姿が見えなかった。

「あらっ、ゴーちゃん。早いのね。」

「ハ、ハ、ハッ、ど~も。コーヒー2つね。」


 やはり慣れない時間に来るとなんともからかわれ、照れくさいものである。わたしは入って右奥の、なるべく人目のつかない場所に席を決めた。

「はぁ~っ。」

 溜息をつくマッコ。

「どうしたんだ、おまえ?」

「あのさ…。」

「なんだよ。」

「ゴー、今までなんにもなかったのか?」

 いきなり意味不明の、話しであった。わたしは理解できずに、

「はっ?」

 するとマッコは、ひとつの間を置いて、言い辛そうに話しを続けた。

「いや、なんて言うか…。去年幽霊屋敷に行ったろ。」

「ああ。」

「…関係あるかどうかわかんないけど、あれから変な事ばっかり起きてな…。」

「変な事って?」

「んっ…。あの時と同じ様な事なんだ…。」

 わたしはこの言葉を聞き、嬉しくなってしまったのだった。

「本当に?」

「ああ。」

「本当?」

「ああっ。」

「やった!」

「なにが、やっただよ。冗談じゃねぇよ、本当に。」


 ふてくされるマッコであったが、わたしと似た様な者が存在するということは、まことにもって、気が楽になるのであった。

「でも、何かおかしいんだよな。」

「なにが?」

「実は、昨日お払いして貰いに行ってさ。」

「へ~っ、それで?」

「それが…なんでも、タヌキに憑かれたみたいなんだ。」

「タヌキ?なんで?」

「そんなのわかんねぇよ。」

「嘘だろ、そんなの。だって恩徳は山伏で、タヌキじゃないぞ。」

「俺もそう思うんだけど、一応、親が紹介してくれた霊媒師だしな…。」

「ふ~ん。」



 そこにコーヒーが運ばれてきた。

「はい、お待ちどうさま。」

「ど~も。」

 わたしは、そのコーヒーを口に含んだ後に、最近の出来事と、その疑問をマッコに話した…。

「へーっ、やっぱりゴーもか。」

「でも、おかしいだろ?やっぱり。」

「う~ん…。ゴーも、お払いに行ってこいよ。そうすれば、わかるじゃないか。」

「あっ、うちはダメ。もう言ったんだ。『馬鹿なこと言ってんじゃない!』って言われたよ。でも…。お払いって、いくらかかるんだ?」

「俺は、親の紹介だろ。それで三千円。普通で行ったら、確か五千円だったと思うぞ。」

「ん~っ、五千円か…。」

「俺が紹介すっから、三千円でいいんじゃないか。やれよ。」

「三千円か…。」


 三千円というのは大金である。何故なら、三百円のコーヒーが十杯飲めるのだ。十杯ということは、昼に一杯、夜に一杯で、合計二杯の六百円。つまり、五日間はどうにか喫茶店で過ごせるということなのだ。さらにわたしは一応、後二、三日でこの遠野から離れる。ということになると、五日が二、三日に凝縮され、一日六百円が、なんと一日約千円も使える勘定となるのだ。

「どうする?…。」

 マッコがわたしにプレッシャーをかけてきた。わかるのだ、マッコのこの興味本意のプレッシャーも。わたしもマッコの立場ならば、そうしたに違いないからだ。自らに降りかかった災難に苦しんでいる時、もし同じ境遇に陥っている他人を見つけた場合、興味がわかないでおられようか。何故なら、その似たような境遇を、他人がどう脱出するのか。また、その根源の相違を比較対照してみたいが為である。

「やれよ。」

「ん~っ。やだ。」

「なんで?」

「なんでって、言われてもな…。」


 金の問題もあったが、それよりも嫌だったのが、お払いの結果を知られたくなかったのである。どうであろう。もし、わたしなり諸君が友だちを伴って精神病院へと赴き、気狂い、もしくはアル中であるかどうかの診断を下してもらうことが出来ようか?もし、そこで医者に友だちのいる前で、

「あなたは、気が狂っています。(あなたは、アル中です。)」

と言われたらどうであろうか。医者に言われただけでもショックなのに、ましてやその側に、友でありながらも他人が聞いているのだ。他人というものは、人の不幸を表面的には同情していながらも、内心ほくそ笑んでいるものなのだ。何故なら、他人の不幸程楽しいものはないからである。

「おーっ!火事だっ!」

「火事よっ!早く行きましょ!」


 などと野次馬根性丸だしで、火事見物に大勢の者たちが集まって来るものなのだ。〃火事とケンカは江戸の花〃という言葉が示す通り、他人の喜びとして、災難は存在するのである。

 わたしが中学二年の時、斜め向かいの『〇〇金』という米屋が火事になった。あれは夜中の二時頃であったと思う。真夜中の火事というものはなんとも明るく、眼前にその火が迫ってくるように見え、不安を感じたものだった。

 わたしはその近所の火事を黙って見過ごすことが出来ず、なにか力になればと思い、消防隊が放水している中、店内にあった米を運ぶ作業に参加したのであった。だが、僅かな人数の為、思うように作業が進まなかった。放水の水を浴び、びしょ濡れになって作業をしている中、ふとわたしは辺りを見渡した。なんと、周りに大勢の人垣が出来ているではないか。およそ、作業している人数の二、三十倍の人数であった。わたしはそれを見、悲しくなってしまった。

『なんで皆、手伝ってくれないんだろう?』

 まだ幼き青少年に、不信感を抱かせる出来事であった。結局〃不幸〃というものは他人にとって、興味の対象としての噂話しにしか存在しないのだ。

 そこでわたしがマッコを伴い、霊媒師走の元へ行き、診てもらったとしよう。精神病院と同じように「あなたには、キツネ(またはタヌキ)がとり憑かれています。」と言われたらどうしたものか?はたまた、キツネなどよりもっとハチャメチャにエグイものにとり憑かれていたら?果たして友は、自分の胸の中にだけ秘めておくだろうか?もし友が、それを言い触らしたとしたら…。

「ほらっ、あの息子さんでしょう…。」

「えっ?ああ、そうよ、そうよ。」

「あの、とっても変なものにとり憑かれた…。」

「そうなんですって、奥様…。」

「なんか気持ち悪いですよね。」

「まったくですわ、奥様。」


 というように、わたしは遠野の町を歩けなくなってしまう。そうなっては困るのだ…。結局わたしは、マッコの申し出を丁重に断り、その場で別れたのであった。
by dostoev | 2013-04-11 16:07 | わたしの怪奇体験談
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