好きな画家に、智内兄助という人物がいる。この画家の描く絵は、妖しい少女の絵が多い。この絵を見ていると、少女というものは
”あの世”と
”この世”を行き来する存在に感じてしまう。
少女でありながら、どこか大人の女性の色気を醸し出し、大人を狂わせる存在?まるで、ファムファタルだ。智内兄助の絵を見るたびに、少女というものは、どこか儚く崩れやすく感じるものの、その崩れゆく先にあるものは異界への誘いのようにも思える。
こういう絵を好きな人物はロリコン気もあるか?などと一般的に感じるかもしれないが、これは妖しの世界へ興味を持つ者達を、ある道へと導くシャーマンとしての役割なのか?とも思ってしまう程の絵だ。とにかく見れば見るほど、恐ろしくも妖しく、その先の世界を垣間見てしまいたい!足を踏み入れてしまいたい!という欲望を刺激する。
男ってのは、元々タブーを破る存在。
「夕鶴」での
”つう”が
「決して、機を織っている姿を見ないでください。」 またイザナミがイザナギに
「決して振り向かないで…。」 という言葉をも信じきれずに振り向いてしまうという、女性の示すタブーを破ってしまう男…。
多分、智内兄助の絵に登場する少女が現れて
「決してこの先に足を踏み入れてはいけない…。」と言われても、やはりそのタブーを、男は破ってしまいそうな気がする。それほどまでに魅力に溢れ、禁断の地へと惹き込まれしまいそうになるる存在の少女。 それを描く智内兄助の絵世界は、今後も目を離せない。