カテゴリ
全体民宿御伽屋HP 御伽屋・幻想ガイド 遠野体験記 民宿御伽屋情報 遠野三山関連神社 遠野不思議(山) 遠野不思議(伝説) 遠野不思議(伝説の地) 遠野不思議(遺跡) 遠野不思議(神仏像) 遠野不思議(石) 遠野不思議(石碑) 遠野不思議(追分の碑) 遠野不思議(史跡) 遠野不思議(樹木) 遠野不思議(桜) 遠野各地の滝 遠野の鍾乳洞 遠野不思議(自然) 遠野八景&十景 遠野不思議(オブジェ) 遠野不思議(その他) 遠野各地の河童淵 遠野各地の狐の関所 遠野各地のデンデラ野 遠野各地の水車小屋 遠野各地の不地震地帯&要石 遠野各地の賽の河原 遠野各地の乳神様 遠野不思議(淵) 遠野各地の沼の御前 遠野各地のハヤリ神 遠野の義経&弁慶伝説 遠野の坂上田村麻呂伝説 遠野の安部貞任伝説 遠野不思議(寺院) 遠野七観音 遠野各地の八幡神社 遠野各地の熊野神社 遠野各地の愛宕神社 遠野各地の稲荷神社 遠野各地の駒形神社 遠野各地の山神神社 遠野各地の不動尊 遠野各地の白龍神社 遠野各地の神社(その他) 遠野の妖怪関係 遠野怪奇場所 遠野で遭遇する生物 遠野の野鳥 遠野のわらべ唄 民俗学雑記 遠野情報(雑記帳) 観光案内(綾織偏) 観光案内(小友編) 金子氏幻想作品 「遠野物語考」1話~ 「遠野物語考」10話~ 「遠野物語考」20話~ 「遠野物語考」30話~ 「遠野物語考」40話~ 「遠野物語考」50話~ 「遠野物語考」60話~ 「遠野物語考」70話~ 「遠野物語考」80話~ 「遠野物語考」90話~ 「遠野物語考」100話~ 「遠野物語考」110話~ 「遠野物語拾遺考」1話~ 「遠野物語拾遺考」10話~ 「遠野物語拾遺考」20話~ 「遠野物語拾遺考」30話~ 「遠野物語拾遺考」40話~ 「遠野物語拾遺考」50話~ 「遠野物語拾遺考」60話~ 「遠野物語拾遺考」70話~ 「遠野物語拾遺考」80話~ 「遠野物語拾遺考」90話~ 「遠野物語拾遺考」100話~ 「遠野物語拾遺考」110話~ 「遠野物語拾遺考」120話~ 「遠野物語拾遺考」130話~ 「遠野物語拾遺考」140話~ 「遠野物語拾遺考」150話~ 「遠野物語拾遺考」160話~ 「遠野物語拾遺考」170話~ 「遠野物語拾遺考」180話~ 「遠野物語拾遺考」190話~ 「遠野物語拾遺考」200話~ 「遠野物語拾遺考」210話~ 「遠野物語拾遺考」220話~ 「遠野物語拾遺考」230話~ 「遠野物語拾遺考」240話~ 「遠野物語拾遺考」250話~ 「遠野物語拾遺考」260話~ 「遠野物語拾遺考」270話~ 「遠野物語拾遺考」280話~ 「遠野物語拾遺考」290話~ 「現代遠野物語」1話~ 「現代遠野物語」10話~ 「現代遠野物語」20話~ 「現代遠野物語」30話~ 「現代遠野物語」40話~ 「現代遠野物語」50話~ 「現代遠野物語」60話~ 「現代遠野物語」70話~ 「現代遠野物語」80話~ 「現代遠野物語」90話~ 「現代遠野物語」100話~ 「現代遠野物語」110話~ 「現代遠野物語」120話~ 「遠野妖怪談」 「闇・遠野物語」 遠野西小学校トイレの郁子さん 遠野東小学校松川姫の怪 遠野西小学校の座敷ワラシ 遠野高校の河童の手 冥界との縁結び 感応院と子供の黒い影 遠野にあるチベットの残存 クワガタと遠野の自然 物部氏と遠野 琴畑と妙見 菊池氏考 佐々木氏考 安倍氏考 阿曽沼の野望 遠野・語源考 河童狛犬考 飛鳥田考 遠野色彩考 遠野地名考 ゴンゲンサマ考 五百羅漢考 続石考 早池峯考 七つ森考 六角牛考 羽黒への道 動物考 月の考 「トイウモノ」考 小松長者の埋蔵金 母子信仰と速佐須良比賣 水神と日の御子 来内の違和感 遠野七観音考 早瀬川と白幡神社 又兵衛の矛 閉伊氏の正体 鯰と地震 池之端 おかばみ 三女神伝説考 早池峯遥拝所 河童と瀬織津比咩 狐と瀬織津比咩 橋姫と瀬織津比咩 平将門と瀬織津比咩 狼と瀬織津比咩 お雛様と瀬織津比咩 鈴鹿権現と瀬織津比咩 妙見と瀬織津比咩 鉄の蛇 勾玉の女神 荒御魂 七瀬と八瀬 七夕と白鳥 七夕と天の川 年越しの祓の女神 瀬織津比咩(イタリア便り) 瀬織津比咩雑記 岩手県の瀬織津比咩 古典の世界 「宮木が塚」 「蛇性の淫」 「白峰」 「吉備津の釜」 「菊花の約」 「青頭巾」 「浅茅が宿」 「徒然草」 「源氏物語」 「枕草子」 わたしの怪奇体験談 よもつ文 遠野の自然(春) 遠野の自然(夏) 遠野の自然(秋) 遠野の自然(冬) 遠野の夜空 以前の記事
2024年 01月2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 11月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 お気に入りブログ
パチンコ屋の倒産を応援す...ゲ ジ デ ジ 通 信 絵本 宮古物語 民宿御伽屋 不思議空間「遠野」別館 ひもろぎ逍遥 jun-roadster リティママ の日々徒然 世に倦む日日 なんでもブログ 外部リンク
早池峰信仰圏
灯火総研 このライトは凄い!!!! 灯火採集にも最適! 石井さんのネイチャーフォト G"art G"art MEILOG 日々是不思議也 秩父まほろばの道 『心はスケルツォ』 誰彼橋 骨格標本室から 雑弟の写真ですが ひめのブログ [遠野市場] 岩手県遠野市初の地域総合ネットショップ 遠野市場 新まにあリュージョン! 最新のコメント
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
「わたしの怪奇体験談(その4)」
幽霊屋敷に泊った翌年の一月十五日、わたしの成人式の日であった。会場である市民センターへ友と共に、わたしは向かった。
会場に着いたわたし達は、式の開始時間にまだ間がある為、女性の化け姿の観賞会に、その時間を当てることにした。何とも言えぬ、化けキツネ、化けタヌキたちの艶姿はわたしたちに対し、笑いを与えてくれたのだった。普段の馬鹿笑いが出来ぬ程、お白いで顔面を固め「ホ、ホ、ホッ、そうなのよ…。」などと澄まし言葉で会話している様は、まるでキツネとタヌキの化かし合いである。これが笑わずにおられようか。 と、その時であった。場内放送で、わたしの名が呼ばれたのである。わたしは理由がわからぬまま、その呼び出された部屋へと向かった。小さな応接間らしき部屋のドアを、わたしは開けた。中にいる中年とおぼしき男三人が、わたしを迎えた。一人はこの市民センターの職員である。あとの二人は、IBC(岩手放送)ラジオ局から来た人たちであった。 すぐさまわたしは名刺を貰った。見るとIBCラジオ・ディレクター姉帯〇〇と書いてある。要件は、わたしに幽霊屋敷での体験談を語って欲しいとの事であった。これには、わたしも驚いた。噂とは、ここまで広まるものかと…。まあ、とりたてて隠すことでもないので、わたしはそれをOKした。ラジオ出演も、たまには良いものである。 わたしは幽霊屋敷に泊った時の事を、詳細明瞭に、声の抑揚を踏まえ、ややオーバー・アクション気味に話した。だが、僅かの緊張があった為か少々早口になったきらいがあった。が、OKサインが出た。 わたしは帰り際に粗品として、IBCのネーム入りのボールペンを貰い、その場を後にしたのだった。 このIBCの突然の介入により、わたしは忘れかけていた幽霊屋敷での出来事を思い出した。いや、思い出しただけならば良かったのだが、その晩から、今度はわたしの家で奇妙な出来事が、相次いで起こり出したのである。そしてその奇妙な出来事は、きっかり一週間だけ続いたのであった。そう、後にも先にも一週間だけであった。ではここでその恐怖の一週間を、一晩ごとに語ってみよう。 第一夜 風鈴のプレリュード 成人式のその晩、わたしたちは晴れて酒宴を開いた。まあ酒宴といっても、別段珍しくもないのだが、酒宴というものは名目があれば、何度でも飲んで騒ぎたいものなのだ。そしてこの成人式というのも、単なる名目にすぎないのである。 成人式の晩はどの飲み屋に行っても、成人式に出席した連中でいっぱいである。まるで遠野の飲み屋全体が、成人式の連中の為に貸し切りになっている様であった。わたしはその夜の様相に、嬉しさを隠しきれなかった。何故なら、タダ飲みが出来るからである。 遠野の学校は、ある意味殆どがエスカレーター式みたいなもの。遠野の人間が皆、ものぐさなのかどうかは知らぬが、地元以外の学校へと行こうとしないのだ。地元を愛しているというものではなく、要は地元から出るのが面倒くさい、というのが正解であろう。それ故、小学校、中学校、高等学校と、転校性を除けば殆ど皆同じ顔ぶれなのだ。そのようなことから、成人式に出席した連中は、皆知った仲なのだ。知った仲というのは…「ようっ!ひさしぶりっ!」という元気な一言で、初めからいるグループの会話の中に割って入ることが出来る。すると…。 「おうっ!どうだ、飲んでけよ。」 という言葉が必ず期待できる。そして頃合を見計らい一言。 「途中で悪いけど…。」 舞い上がっている最中、この言葉を吐けば、誰も金を払っていけとは言わない。このパターンで、いくつもの飲み屋をハシゴすることが出来るのである。ただ良心の問題にかかわってくるのだが…。 その晩は結局、五軒くらいハシゴしたであろうか。家に帰ったのは、午前二時を少々回ったくらいであった。わたしは、酒の飲み過ぎと疲れの為、非常に眠かった。服をむしる様に脱ぎ捨て、急いでベットに入り、寝ようとした。だが、である。何故か、眠いのに寝れないのだ。わたしは一生懸命、眠る努力をした。それでも寝ることが出来ないのだ。寝ることができない自分に、いらだちを感じている。とにかく目だけはつぶって、知らぬ間に、夢の世界に入れることを望んでいた。しかし、その様なことをしていながらも、体は夜の気配を探っていた。 静かな夜であった。かすかに、風の気配を感じとることが出来る、そんな中であった…〃あの音〃が、聞こえてきたのである。そう〃風鈴の音〃である。初めは『ああ、風鈴が鳴っているな。』と、簡単に考えていたのだが、よくよく考えてみると今は冬である。冬に風鈴の音など合わないのである。それに今日、忘れかけていた幽霊屋敷での出来事を思い出したばかりである。わたしは恐ろしさのあまり、目をギュッと閉じ、布団を頭から被った。だが、どんどん近づいて来るではないか。ついに部屋の中まで入って来た。だが、目を開けて〃それ〃を確める勇気がでない。すると、わたしの真上まで来たようだ。音がゆっくりグルグル回っている。だがその音も、三度程回った後に消え去ったのである。そしてわたしはというと、その後すぐに、完全な睡魔に犯され、眠りの世界に入ったのであった。 第二夜 擬音のシルエット 翌朝、わたしは9時過ぎに目覚めた。いつもより早い時間である。そして、その目覚めと共に、わたしはあの風鈴の音のことを考えてみた。もしや、酒の飲み過ぎと疲労とが重なった為の悪夢ではなかったかと…。しかし考えたとして、そんなに簡単に答えが出る問題ではない。ただ言えるのは、やけにリアルだったことと、二日酔いの為か、やけに頭がガンガンするということだけだった。 とりあえず、親に顔を見せる為、下に降りてみることにした。 玄関で靴を履いていた時、わたしの祖母が何やらおかしなことを言った。 「昨日来たのは、万君かい。」 わたしは、意味がわからず「はっ?」 尚も、祖母は続けた。 「おまえ、昨日夜中の二時過ぎに帰って来たろう。」 「ああ…。」 「その時、一緒に来たのは、万君だろ。」 「はっ?」 わたしは、祖母が何を言っているのかわからなかった。それに、万は成人式に出席せずに、現在東京にいるのだ。わたしは祖母に、返答した。 「なに言ってんだよ。俺は昨日、一人で帰って来たんだぞ。」 すると、祖母が言うには、 「それじゃ、明け方早く帰って行ったのは誰だい。あれは万君じゃなかったのかい。」 「はっ?」 わたしは益々、訳がわからなかった。まさか、ドロボウが入った訳ではないだろ。だが、わたしと一緒に来たと言っているし、時間も正確に言い当てている。どうやら、ボケた様ではなさそうだ。 すると祖母は、衝撃的なことを言ってのけたのだった。 「あの体型は、わたしゃ万君だと思ったんだがね。確か、白い服を着て…白い帽子も被っていたよ。」 『!?…。』 わたしは一瞬、背筋が凍りついた様だった。白い服、白い帽子。まさか、白装束。そして白い帽子とは、三角布では…。そうであるならば、昨晩のあの出来事は納得したくないが、納得できる。わたしはついに、〃あれ〃を家まで連れてきたのだ。わたしは玄関を飛び出し、親許へと向かった。 わたしの家は、食堂を営んでいる。まあその他に、いくつかのテナントやアパートを貸している。そしてわたしが、そこの息子になるのである。わたしは、親が営んでいる、食堂へとやって来た。 店内には、客の姿は無く、暇そうにしている母の姿だけがあった。わたしはその母の側へと向かった。 「お早う。」 「あらっ、〃早いね〃。」皮肉っぽく、母は言った。 「…。」 「昨日は何時頃、帰ってきたの。どうせまた午前様だろうけどね。」 「確か、二時過ぎだったけど。」 「ほぉ~っ。」呆れ顔で、母は言った。 「まあ、これも付合いだから仕方ないな。」 わたしは、自己弁護の言葉を吐いた。すると、怒った口調で母は言った。 「何が仕方ないだっ!毎晩、毎晩、遅く帰ってきて。本当にあんたはどうしようもない夜鷹だね。少しは夜、出ないで、店を手伝いなさいよっ!」 どうやらわたしの母は、機嫌が悪い様である。 「ところで、父さんは?」 「知らないよ!またどっかに遊びに行ってるんだろっ。」 どうも原因は、ここにありそうである。 「それより…。」 「なに。」 「…。」 わたしは、ためらった。何故なら、わたしにとり憑いたであろう霊を取り除く為に、霊媒師の元へ行こうとしているのだが、それに母の承諾と金を得ようとしているのだ。しかしそんなことなど、はなっから相手にされないに決まっているからだ。 「どうしたの、何か言いたい事があるんでしょ。」 「いや、実は…。」 「なによ。」 わたしは、とにかく言ってみることにした。 「去年の夏に俺、幽霊屋敷へ行ったろ。」 「それが?」 「もし俺がそこの幽霊を、家に連れてきてたらどうする?」 「はあ?」 「もしその幽霊の為に、俺の人生が狂ったとしたらどうする。」 「…で、何が言いたいの。」 「ん~っ。…小友に、ある霊媒師がいるそうなんだけど、ちょっと行ってきていいかな?もしかしてこれは、俺の一生に関わる問題になるかもしれないし…。いや最近、変な事がいろいろあるんだ。やはりこれは小友に言って、観てもらったほうが良いと思うんだ。どうかな?」 「なに馬鹿なこと言ってるの。それより早く食事にしなさいっ!」 やはり母には、わたしの真剣さが理解してはもらえない様であった。だがわたしは、この母の否定により、霊媒師の元へと走るのが面倒になった為、それを中止することにした。何故ならわたしは、周囲のおだてや、盛りあげにより自意識が高揚するのに、それが無い場合、あっさり引き下がる性質を備えているからだ。
by dostoev
| 2013-04-08 16:24
| わたしの怪奇体験談
|