遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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十一面観音と不動明王、そして瀬織津比咩

十一面観音と不動明王、そして瀬織津比咩_f0075075_12373789.jpg

「エミシの国の女神」の菊池氏の説によれば、瀬織津比咩を祀った後に天台宗の慈覚大師が上から不動明王を被せて、その祭祀を隠していったと唱えている。だが、今熊野観音寺では十一面観音の脇侍として不動明王が鎮座している。また、淀姫大明神として與止日女を祀っていた京都府伏見区淀水垂町の真言宗大徳寺(以前は天台宗)でも、十一面観音の脇侍として不動明王が鎮座している。この大徳寺から発見された古文書「淀水垂大荒木森大徳寺略縁起」によれば、肥前の国の川上淀姫の神社より勧請したとある。その古文書の内容を抜粋してみよう。

「…されば彼の淀姫の御神号此所の地名と相応して大荒木の盛んに茂り、神の恵みの水垂れて好き神廟の清まる地なり。近く此の地に勧請し奉り、王城の藩屏国家の護衛と鎮座せしめ、群民をして神徳を仰がしめんと、親到鳳闕件の素願を奏したもうに天顔よろこばしくましまして、うやうや敷く勅許を蒙り、応和年中に錫を飛し万里の嶮浪を凌ぎ、肥前の国佐嘉郡川上淀姫の神社にいたり、勧請し奉り、常盤堅盤に満引て天の眞名井の水清く、干満に珠の厳なる国家擁護の御神徳、流れ久しき淀川に納まり、淀みて御鎮座畢んぬ。且つ菅公左遷のみぎり鳥羽より乗船して此の水垂の岸につかせしばらくやすらい玉うにぞ、其処天神口と字して今尚禿倉を存ぜり。是に由来して菅相公の霊神を勧請し同殿に祭り玉うや、爰に村上帝勅して正一位淀姫大明神と爵号を賜り、蘋蘩三祭儀爼豈三礼容蕭然たる事可観也。是二神の此の地に跡をたれて鎮座なし玉う事、偏えに開山千観の素顔によれり。仍て後に又霊神をいわ井祭り、共に水垂三社の御神と仰ぎ奉り、又草庵の旧跡を大徳寺と号して、則ち不動尊は智証大師の御作にて阿闍梨の内仏なり。永く其の純徳を慕い令名をおしめる事しかり。」

この淀姫大明神が後に桂川河川敷の拡幅工事が実施される事となり、大徳寺から本殿以下の建物は、明治33年5月24日付の神社移転許可により、明治35年6月21日、神社の全てが現在の淀城址内に移転した。それが現在の與杼神社となる。

考えてみると観音様は女神と融合するのだが、不動明王の性別を女とし女神とするのは有り得ない話。故に不動明王とは、十一面観音(瀬織津比咩)を護る存在であったのだろうと思う。

今熊野観音寺の由緒に、こう書かれている。「白髪の一老翁が弘法大師に一寸八分の十一面観世音像と一夥の宝印を与えられて『此処は観世音菩薩の有縁の地であるから、観音様をお祭りして末世の衆生を救済せられよ。』と言って立ち去られんとしたので、何人であるかを問われると『熊野権現である』と申されて、南を指して消え行かれた。」とある。熊野権現とは、広義的に那智の瀧神の事を言い、つまり那智の瀧神の代わりに十一面観音を祀れと熊野権現が言ったという由緒である。
十一面観音と不動明王、そして瀬織津比咩_f0075075_17255291.jpg

「稲荷大明神流記」において「稲荷の本地は上社大明神は十一面、中社正妃は千手、下社正妃は如意輪、四大神は中社の子にて毘沙門、田中社は下社の子にて不動なり。」とある。「狐と瀬織津比咩(其の十)」で書き記したように、観音の甘露という水の霊力が水神と結びつく。また稲荷の本地である三観音「十一面観音・千手観音・如意輪観音」だが、更に剣を手にした姿は不動明王から、狐に乗り(竜の場合も)虚空を飛翔する姿は毘沙門天から。その能力を全て総合した形が、下記の画像である荼枳尼天の姿となったのだろう。
十一面観音と不動明王、そして瀬織津比咩_f0075075_18224970.jpg

つまり荼枳尼天は三観音を総合した姿であるのだが、その荼枳尼天の本地は十一面観音であるともいう。つまり稲荷に狐が結びつけられ、その後に荼枳尼天と結び付き、稲荷を代表する姿が荼枳尼天となったのだろう。一つの神を分割した姿は、神々の中に見受けられるが、その本体は一つであるのだ。実は瀬織津比咩の像にも、如意宝珠と剣を手にし竜(狼の場合も)に乗り虚空を飛翔する姿がある。
十一面観音と不動明王、そして瀬織津比咩_f0075075_17514.jpg

那智の火祭りは御神体である那智の滝に対し松明の火を掲げるというもの。つまりこれは、水の観音である十一面観音に対して、紅蓮の炎を背後に鎮座する不動明王を重ねる祭りでもあるのだろう。

また大徳寺で祀られていた淀姫大明神の背後には、いつの時代かわからぬ古い板の額があり、そこには「火の国総鎮守」と書かれていた。そう、つまりそれは火の国である熊本県の阿蘇を指す。淀姫(與止日女)は瀬織津比咩と結び付くが、九州においては阿蘇神社に嫁いだ草部吉見神社の水神である阿蘇津姫の事をいう。
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水と火の組み合わせ…十一面観音に対する不動明王も、まさにこれだ。恐らく慈覚大師は水の神である瀬織津比咩であり十一面観音に対して、脇を守護させるよう、そして炎と水との融合を果たそうと不動明王を祀って行ったものと今では断言しても良いだろう。つまり何故、滝を祀る傍には不動明王が鎮座しているのかといえば、それは御神体が滝であり水神である為、衆生を意識し豊かになるよう水に対して、炎の眷属である不動明王を祀って行ったのだろう。例えば、早池峰神社の本殿手前に鎮座する不動明王も、又一の滝の傍らに鎮座する不動明王もすべて滝神を保護し補佐する為に鎮座しているのだろう。琴畑にある不動堂も、明治時代に神仏分離となり妙泉寺から出される事になった不動明王像を運びだし祀ったのも、あくまで傍の白滝に鎮座する瀬織津比咩の保護であり補佐の為だろう。
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こうなれば、何故に陸前高田の横田町に鎮座する四十八滝神社の祭神が瀬織津比咩と不動明王の二柱であったのか理解できる。そして稲荷との関係から現在、稲荷神社になっているのかも理解できるのだ。
by dostoev | 2012-11-03 22:00 | 瀬織津比咩雑記
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