地震と津波で始まったような2011年だったが、ここにきて最後は寒波で終わるのか?という程の寒さが続いていたが、12月31日の今日は日差しが戻り、比較的暖かな日を迎えた。
ところで、遠野に伝わる天人児とは白鳥では無いのかと思っていた。空を飛ぶ白鳥は魂を運ぶ存在として知られていた。ただ今で言う白鳥だけでなく、白鷺など白い鳥は全て白鳥。白い色は神の色ともなり、浄化を表す色ともなるので、魂の穢れを落として白鳥は運んでくれたのだろう。その白鳥に神秘を見出し、それを天女として語り継いだのではないかと思っている。
また白鳥はその首の長さから、竜や蛇と同族としても捉えられていた。首長竜というものがいたように、その意識が語り継がれたのかはわからないが、水辺から長い首を出している姿は竜も見立てられた。
羽黒の伝説でも、能除太子が八乙女の導きに遭遇したのも、白鳥の群れでは無かったのか?
純白な肢体が空を飛ぶ、そこに人間の白鳥に対する憧れと神秘が生まれたのだろう。
夕暮れに佇む白鳥は、水鏡に何を見るのか…。
とにかく2011年は終わり、2012年が始まろうとしている。気象庁の発表では12月から1月にかけて、再び大きな地震がくる確率が高いとされたが、災害が何もない平穏な2012年であって欲しいと願いたいものだ。
年の暮れに白鳥が飛ぶ、今年失った魂を浄化してくれるのだろう…。