遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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瀬織津比咩の祭祀其の八「早池峰神社(大迫)」

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遠野と大迫の早池峰神社には、争いの歴史が刻まれている。それもこれも南部氏が盛岡に来てからだ。確かに盛岡から早池峰神社を参詣するにあたり、遠野の早池峰神社よりも大迫の方が行き易いのは確かだ。その為に南部氏は大迫の方へ多く寄進もして保護してきた。創建は遠野側が古いのであるが、時代の流れには勝てなかったのが実情だろう。しかし今でも早池峰神社といえば大抵、大迫と答える人が多いのは何故か。
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大迫の町へ行くとわかるが早池峰山を中心に、大迫町が一生懸命なのがわかる。しかし遠野は柳田國男の「遠野物語」を中心に観光事業を組んでいる為、古い由緒を持つ遠野早池峰神社に対する力の入れようは、大迫に比べて劣るのは否めない。7月17日には宵宮が行われ、神楽が舞われたが、早池峰神楽の代表といえば、岳の神楽。つまり大迫の早池峰神社に伝わる神楽は、全国が認知するところでもある。
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一番言えるのは、早池峰山を含めて早池峰神社が地域の人々から愛されている存在であるという事だろう。遠野の早池峰神社は、遠野の北に鎮座する神社で、路線バスに乗って行くと1時間近くかかる遠い地だ。その為に遠野の人でも早池峰神社に行く事なく、一生を終える人もいると聞く。しかし、大迫の早池峰神社もまた大迫の町から山の方へと車やバスでかなり時間をかけて行かなければ、着かない地に鎮座している。つまり、遠野も大迫も条件は同じである。違いはやはり先に述べたように、早池峰に対する愛情であると思う。大迫全体が早池峰の姫神そのものが「おらが町の氏神である。」と認識している違いだろう。
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ただその大迫の早池峰神社の背後には、早池峰山は聳えていない。遠野の早池峰神社の背後には、早池峰山が聳え、早池峰を祀る神社が遠野早池峰神社というのが理解できる。では大迫の早池峰神社の背後には何があるかというと、それは遠野早池峰神社であった。自分の考えは、恐らく大迫の早池峰神社は方違えの呪法として建立されたものだろう。あくまでも早池峰は北に鎮座している存在であるから、大迫の早池峰神社に参拝する場合、その祈りは一旦遠野早池峰神社向かい、北に聳える早池峰山に向けられる為の呪法で建立されたのだと思う。つまり正統な早池峰の神社とは遠野早池峰神社である筈であるから、遠野の人々はもっと自信を持って早池峰神社を宣伝すべきだと思う。
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大迫早池峰神社の社殿内部の祭祀は、いたってシンプル。余分なものが無い。ところが遠野早池峰神社には、過去に奉納された額や絵馬など、様々な品が社殿内部に飾られている。それは一つの早池峰神社の歴史を語っているようなもの。しかしその違いは、大迫は別に宝物殿を建て宝を展示している違いだけ。しかしその違いは、遠野早池峰神社が歴史と共に埋没している神社であるが、大迫の早池峰神社は祭祀と観光を区分けし、収益を上げ、地域で早池峰神社を守るという意識の違いからのものであろう。綺麗ごとでは無く、予算が無ければ神社の歴史を保護できないのも事実だ。その事実を認識しているからこそ、大迫の早池峰神社は頑張っているのだろう。
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早池峰神社の祭神は、遠野も大迫も共に瀬織津比咩である。しかし大迫の早池峰神社を訪れた時、神社関係者から瀬織津比咩の名前を聞く事はできなかった。ただ「この早池峰の姫神様は、名前を出す事を禁じられた神様でした…。」と。今でもその名残があるのか、関係者の方はただ"姫神様"とだけ答えるのみだった。しかし姫神様は尊称でもある為、敢えて本名である瀬織津比咩の名前を呼ばないのは、尊敬の念から来ているのかもしれない。何故なら日本のの現実社会でも、目の上の人に対して呼び捨てはできない。そういう意味で"姫神様"と答えるのが正しい呼称なのだろうと思う。
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とにかく大迫の人々の意識には早池峰が大きく入り込み、細かな場所、お土産に至るまで早池峰と、その姫神様に対する意識が伺える。遠野側に足りないのは、早池峰山の歴史的存在意識と、姫神様に対する尊敬の念では無いだろうか?「遠野物語」及び「遠野物語拾遺」を読んで気付くのは、早池峰と早池峰の姫神に関する話の多さである。つまり遠野の人々は、「遠野物語」を紹介した柳田國男よりも「遠野物語」の中心である早池峰と、その姫神に対する尊敬の念をもって保護していかなければ、ならないだろう。そうでなれればいつまで経っても表面的な観光地としての位置付けにしかならない。全国の名立たる神社や祭りに人々が集まるのは、本物だからだ。大迫町の観光意識にも、それが見受けられる。
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by dostoev | 2011-07-19 08:34 | 岩手県の瀬織津比咩 | Comments(19)
Commented by グッドスノゥ at 2011-07-19 20:14 x
 遠野の早池峰が知られてないのは、逆に「どれだけ知っているか」の目安になりますので私的には良い事だと思います。

観光としてか歴史としてかは非常に面白いですよね。当時から現在にかけて「どう人が集まっていたのか」・・・イベントがない日でも人が集まるのが本物だと思うのですがねぇ。

18日は餅まきまでいました。今回は宵祭の神楽は見れませんでしたが、あの夜の山道をずんずん入っていっても早池峰神社寸前まで祭りがやっているかどうかわからないという不思議な感覚が好きです。変わり者の意見ですみません。(笑)
Commented by dostoev at 2011-07-19 20:28
グッドスノゥ氏、でもねぇ、拝殿の屋根のシートが痛々しいのですよ。予算があれば修復できるのにと思うので、やはり多くの人に来ていただいて、お金を落として貰わないと、今後も大変でしょう。
Commented by グッドスノゥ at 2011-07-19 21:48 x
 去年の話ですが、たどり着けない人もいたようですよ。

写真を見る限り震災の影響は無いように感じます。

屋根の修復分、儲けが出てると良いですね。
Commented by dostoev at 2011-07-20 06:19
グッドスノゥ氏、早池峰神社への道は…初めての人なら不安になると思うのですよ。小出を過ぎると、一旦何も無くなって『この先に神社が果たしてあるのだろうか?』と。また『もしかして、今の集落のどこかに早池峰神社が?』などと考えるようです。不安になって道を曲がったが最後ですね。。。
Commented by オシラ。 at 2011-07-20 09:24 x
お久しぶりです。
山登りを行っている者にとって、常に、疑問に感じている所です。
遠野は、元来、早池峰の入口であった筈。 
遠野の民は、良く言えば、大人しいのでしょうかね。 出来れば、もっと、主張するべきであった、と思います。 過去形に文を括ったのは、今では、難しい、という事です。
後は、交通の便を良くし、宣伝を行うのみが、その残された浮揚部分ではないでしょうか?

次に、神楽ですが、明治初頭、時の内務省の”陰謀”で、大迫早池峰神楽は”向かい鶴”(南部家家紋)となり、遠野早池峰神楽は”剣九曜”の神紋を使用するようになった。 これに関しても、遠野の民は、大人し過ぎます(過ぎました)。 

今後も早池峰を遠野三山と言うのなら、それなりの努力をするべきです。
今回の東日本大地震の被災者に対する”仮設住宅”の措置など、正にその現れの一つではありませんか? 住田町と遠野市では、その対処法に雲泥の差があります。 それは、まず、”行動の鈍感さ”、です。
Commented by dostoev at 2011-07-20 14:26
オシラさん、お久しぶりです。そういや早池峰山もまた以前は、個人所有の山だったと聞いた事があります。ただ税金払うのが嫌で、権利を放棄したのだとか。

ところで"大人しい"といえば聞こえはいいのですが、ある意味無抵抗。どうなんでしょう、征服され服従してきた民のDNAが刻まれているのでしょうか?

それと申し訳ありませんが、自分は仮設住宅の措置、対処法のの違いなるものの情報を知りませんでした。何があったのでしょう?
Commented by オシラ。 at 2011-07-20 20:04 x
仮設住宅の件ですが、岩手県内よりも他の都道府県で有名です。

住田町町長は、昨年来の自然災害を憂い、もし、町民が被災すること(地震で)を思い、仮設住宅の図面、建設用地、建設大工などの手配等を計画していたそうです。 3月9日(震災の2日前)の地震で、町長は、その時を予感したそうです。  震災後3~5日後に仮設住宅の着工に踏み切れたのも、町長のこうした事が町民に対する愛情、そして行政を預かる首長としての力量のひとつでしょう。
ご承知の通り、町長の打ち出した仮設住宅は、町内から切り出された住田杉で建てられた木造住宅、大工は気仙大工で作られ、全国のメディアから注目されました。 仮設住宅に入居出来た被災者は『嬉しくて、町長に足を向けて寝れない』と大変な喜びようでした。 また、町長は、仮設住宅の迅速な着工を行うため、県の許可も、町議も経ずに、じっこうしたそうです。 県の許可を得なかったのは、2年という仮設住宅入居期限を被災者に強いるのは出来ない。 町議を経ないのは、議会・町民は、町長のこの決断を理解してくれる、と信じたからなそうです。
、、conti,
Commented by オシラ。 at 2011-07-20 20:10 x
、、、、conti.
実は、私もネットに”日本人の誇り、住田町長”というものを流しました。
町長の心意気に賛同した、兵庫県の工業専門学校は、この仮設住宅を手本に陸前高田に木造の仮設住宅を建設中です。 また、昨日は、音楽家の坂本龍一さんが住田町を訪問し、同じく賛同して、3億円の寄付を募るそうです。

住田町の仮設住宅は、町長が、阪神淡路大震災の仮設住宅の長所短所を研究して、図面設計に相当な時間を費やして出来、実施したものです。  私は、決して大袈裟ではなく、日本の誇らしい首長の一人だと思っています。 それに引き換え、隣町では、被災後百日以上も経って、仮設住宅に着工する、ある建設業の集会で岩手県の対応の遅さを非難する、とこかの市長とは雲泥の差ではありませんか!!
岩手県だって、懸命に働いています。 知事を観て下さい。
最近、白髪が増えてきました。 大出小学校跡地に、自分の名を刻んだ石碑を建てることよりも、住田町長のように働きなさい!!と言いたいのです。
Commented by dostoev at 2011-07-20 21:06
オシラさん、いろいろ知らない事があります。教えてくださり、ありがとうございました。こういう外部からの声が、一番遠野市の為になるでしょう。そしてここに書き記した事も、いつか市長の耳に届くと思われます。

以前、遠野市の車両による無断駐車が相次ぎましたので、このブログに車両の写真を掲載したところ、すぐさまお詫びの電話がきました。しかし無断駐車した本人からの謝罪は聞いてませんが(^^;

また無断駐車といえば、現・岩手県会議員の工藤かつ子氏が、頻繁に無断駐車するので注意したところ、謝罪もせずにプイッと出ていくという行為。遠野市内ではブイブイ言わせる人間も、オシラさんのような外部の人間には、へつらうようであります。なので、こういう意見は、今回のようにハッキリ書いていただいた方が、遠野市の為だと思います。
Commented by オシラ。 at 2011-07-21 06:37 x
ありがとうございます。
dostoevさんに、同感しています。 市長&県議、共に、眼にあまる行為・行動がみられます。 
兄が、都内でFM局の映画評論とディスク・ジョッキーを行っており、
彼も、こうした悪評を知って、放送までは行っていないと思いますが、
Numoの件、自動車専用道路の一般道へのJCTの件、等々、中央省庁へも報告しています。
これからも、当ブログの要旨に沿ったコメントを載せたいと思っておりますので、宜しくお願い致します。  
Commented by dostoev at 2011-07-21 13:46
オシラさん、こちらこそ、今後ともよろしくお願いします。
Commented by 内藤 at 2013-08-02 22:20 x
三十一日大迫町の早池峰神社で宵宮を見てきました。とてもいい経験になりました。しかし私としては大迫町はそんなに観光として早池峰神社を推している印象は受けませんでした。神社までバスも出していないし、雨の中五時間立ち見だったし・・・。まあ神事を観光にしていいのかよくわかりませんが・・
Commented by dostoev at 2013-08-03 11:10
内藤氏、行きましたか。ところで神楽と観光ですが、遠野の早池峯神社の祭を見ても、神楽を観に来る人は、余程のマニアですよ。ただ遠野より大迫の方が宣伝され、認識されている度合いは高いです。それ故に、行きたい人は行く世界で、観光としては一般的ではありません。有名な高千穂の夜通し、そして朝まで繰り広げられる神楽でさえ、殆どが地元住民によって観られているのと同じです。
Commented by R at 2013-08-19 18:26 x
初めまして。僭越ながらコメントさせていただきます。
遠野と大迫との早池峯神社への公的(地方自治体ではなく政府という意味です)な待遇の違いについては、「エミシの国の女神―早池峰-遠野郷の母神=瀬織津姫の物語」 菊池 展明 著 (風琳堂)をお読みいただけるとご理解が深まるかと思われます。
県外在住者ながらなぜか早池峯山を信心しているわたくしとしては、是非お読みいただきたいです。
Commented by dostoev at 2013-08-19 19:46
Rさん、コメントありがとうございます。「エミシの国の女神」の著者は、本が出来る以前から親しくさせていただいていました。また「エミシの国の女神」本そのものも、かなり刺激を受けさせていただいたのですよ。ただここでの記事は、現状の遠野という視点で書かせていただきましたm(_ _)m
Commented by R at 2013-08-19 22:18 x
お返事ありがとうございます。なんと、羨ましいことですね。
管理人さまは御伽屋さんですか?私は定宿にしている所があるので伺ったことがありませんが、知人たちが昔、Aさんのわらべ唄講座にて、そちらにお世話になったことがあります。(^-^)
Commented by dostoev at 2013-08-20 06:35
はい、一応御伽屋としてHPとリンクして、このブログをしてました。ちなみにAさんとは露木さんの事でしょうか?ちょうど昨日、家族で店に顔を出してくれたばかりでした。ところで早池峯に興味があるなら、カテゴリの下方には、早池峯の事、早池峯の女神の事、早池峯と関わる安倍氏の事など、様々な早池峯に関する事が、風琳堂氏とは、また違った内容で書かれています。恐らく、2500もある記事中で、早池峯に関わる記事が大半を占めるかと思われますので、良かったら読んでくださいませm(_ _)m
Commented by R at 2013-08-20 12:47 x
度々失礼します。
「Aさんの」というのは、関東の神谷さんの主催でヤエさんをお招きして、というものでした。他にもそういう活動をなさっている方がおいでなのですね。
はい、カテゴリを拝見して、いろいろ興味を持っておりました。(^-^)でも量が膨大に思われましたので、今後ぼちぼちと伺って拝読していきたいと思います。宜しくお願いいたします。
Commented by dostoev at 2013-08-20 13:54
ああ、神谷さんでしたか。元々露木さん主催の会に神谷さんが参加していましたからね。露木さんは何度も遠野に足を運び、ある年は住み付いてまでヤエさんの話を聞き覚えた後継者の様な方です。傍目から見ていたも、あの熱意には頭が下がる思いでした。
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