山のあなたの空遠く
「幸さいはひ」住むと人のいふ。
噫ああ、われひとと尋とめゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸さいはひ」住むと人のいふ。
「Über den Bergen」
Karl Busse(カール・ブッセ)
Über den Bergen weit zu wandern
Sagen die Leute, wohnt das Glück.
Ach, und ich ging im Schwarme der andern,
kam mit verweinten Augen zurück.
Über den Bergen weti weti drüben,
Sagen die Leute, wohnt das Glück. ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昔、なんとなく記憶にあった詩があった。ドイツの詩人であるカール・ブッセの「山のあなた」という詩だ。子供の頃は「山の穴、穴、穴…。」と覚えていたが…(^^;
ただこの詩は、山のあなたというのは遠い存在の人であり、幸せというものを遠くに感じている人は、現実としては不幸なのだという。だから決して、山の彼方、空の彼方の更なる遠くに愛しい人がいたとしても、決して距離を感じる事無く、間近に感じなさいという意味を含んでいる。遠くに感じれば、詩に書かれているように、幸せが悲しみに変わるのだと。これは、夢を追い求めると同じでもある。夢が無理とわかり、実現不可能だと考えた瞬間に、夢は絶望に変わってしまう。
写真は、遠野の早池峰山だが、その山が遠いと思うと、大変だ…とか面倒臭いと思えば、山は遠くへ行ってしまう。早池峰の山の標高は1917メートル。これを高いと思うか低いと思うか、それは個人の自由だと思う。ただ1917メートルという距離は、たかが歩いて2キロ弱。山を登ると考えると大変な気がするが、平坦な道を2キロほど歩きなさいと言われれば、なぁ~んだと思ってしまう。
同じ距離でも、遠く感じる場合と、近く感じる場合が現実にはある。あくまでも気持ちが、距離を超えるのだと思っている。そう!だから遥か彼方の宇宙に棲むだろう宇宙人は、未だにいると信じている矢追純一は、頑張れるのだろう(^^;