遠野の不思議と名所の紹介と共に、遠野世界の探求
by dostoev
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狐と瀬織津比咩(其の七)

狐と瀬織津比咩(其の七)_f0075075_10534233.jpg

【後醍醐天皇肖像画】

むかし大唐国に大汝、小汝が政を執り、辰狐を使として日本に遣わし
難波に来た。そこで大鯰に呑まれ命が危うかったが、秦乙足がその鯰
を釣り上げて八柱の御子もろとも救われた。そこでその恩に報いる為、
乙足の子々孫々に至るまで所願あれば成就させる事にした云々と由来
を開陳し、祈願する檀那は乙足の子孫である…。



この祭文は、平安朝東寺の護法神的信仰に始まり、醍醐寺の当山派山伏の手によって庶民化されついでに祇園系修験者によって陰陽道的色彩の濃いものに変化していった。この中に、ダキニは組み込まれていったようだ。

ダキニを組み込んだ真言宗の生んだ両部神道とは、神祇信仰を金剛界と胎蔵界の両部の密教教義によって説き明かした神道説であるが、それによると山岳仏教で知られる大峯山は金剛界、熊野三山は胎蔵界を模っており、伊勢神宮の内宮は胎蔵界、外宮は金剛界と考えられていた。そしてダキニ天と天照大神は結び付きをみせる。辰狐の祭文は紹介したが、山本ひろ子著「変成譜」には…。

辰狐法は宮中で伝授される時には、本尊の辰狐を金と銀で二つ作り、
壇の左右に立て、天皇は四海の水を浴して位に即くとある。「天照
太神口決」にも「王ハ南ニ向キ、摂政ハ北ニ向キテ、左右ニ金銀ヲ
以テ吒天ヲ造テ置キタリ」



ここに登場する金と銀は金剛界と胎蔵界を示すものであり、陰陽でもあり、太陽と月である。そしてそれが伊勢神宮の内宮と外宮の二つに被せられている。天台宗の百科事典とも呼ばれる「渓嵐拾葉集」には、こう記されている。


「およそ天照大神とは日神に坐す上に日輪の形、天の岩戸へ籠りたま
 うもの也。天照大神、天くだりたまひて後、天の岩戸へ籠りたまふ
 と云ふは、辰狐の形にて籠りたまふ也。諸々の畜獣の中に辰狐は身
 より光明を放つ神ゆえに、その形を現じたまえる也。」



仏教世界において、大日如来こそ天照大神の垂迹とされてきたのだが、実は大日如来は深淵の理のような存在で形を成さないもの。その形として、神と化身して働くという「和光同塵」という考えが登場した。つまり大日如来の代わりとして着目されたのがダキニ天であり、それが天照大神と習合されたのだという。

ダキニ天と天照大神を決定的に結び付けた人物がいる…後醍醐天皇だ。画像は後醍醐天皇の肖像画なのだが、両手に五鈷杵と五鈷鈴があるのだが、五鈷杵は男根を現し、また金剛界を現す。また五鈷鈴は女陰を現し、胎蔵界を現す。この二つが一つになった時に、願望が成就されるという意図を含んでの肖像画だ。
狐と瀬織津比咩(其の七)_f0075075_10574076.jpg

【金剛薩埵】


ところで、この後醍醐天皇の肖像画に見受けられる五鈷杵と五鈷鈴を持った仏像が一つだけある。それは金剛薩埵といい、愛染明王の連れ合いであった。この中世という時代は厄介で、いろいろなものが習合されている。とにかく金剛薩埵となった後醍醐天皇は、実はその上にある、やはり天照大神と一体になる事を願った。何故か?それは愛染明王もまた大日如来に通じるものであり、当然天照大神であり十一面観音にも通じるからだ。女神との和合を求めた後醍醐天皇であるから、真言宗での愛染明王の扱いから、自らを金剛薩埵という男神となる事で、様々な女神との和合を図ろうとしたわけだ。

ところが、ここで誤解があった。後醍醐天皇の師である文観は、天照大神の本地を十一面観音と明記している事だ。ここで「記・紀神話」以前に立ち還れば、本来の天照大神とは男神であり、更にそれ以前は伊勢神宮に存在しない事となっていた。男神である日(火)の神がおり、それと対になる水の女神、つまり瀬織津姫の影響を受けて、天照大神の存在意識が成り立っていたからだ。

秦氏の祀る伏見稲荷の御神体ともいえる霊山である稲荷山は、五つの峰が連なって形成されている。まず東の峰には「ダキニ天と天照大神」。西の峰は「愛染明王と弁財天」。南の峰が「丹生都姫、鬼子母神」北の峰が「不動明王と三大神」この三大神はどうやら熊野三山があてられると聞いたが、定かではない。そして真ん中の峰が「稲荷・弥陀・辰狐王」であり、全体的に女神が多いのは、ウカ魂やウケ魂…穀霊との結びつきを意識してのもので、地母神を意識してのものから発せられている。
狐と瀬織津比咩(其の七)_f0075075_1101793.jpg

【日本においてのダキニ天図】

中世時代に新たに様々な神仏が日本に上陸したわけだが、日本古来の根源となる地母神となる天照大神と結びつくという意識にかられたのが、後醍醐天皇であった。だから日本に伝わったダキニ天の姿が狐に乗り、右手に剣、左手に宝珠を持つというのは、あくまでも天照大神の伝承を基にしたのが理解できる。しかし本来の地母神であり女神であった瀬織津姫の姿を後醍醐天皇は見る事ができなかったのだろう。複雑怪奇な中世という時代には、ダキニ天も含め、弁財天も習合されて、やはり似たような姿になったのは、あくまでもその根底が天照大神にあったからだというが、それがすべて瀬織津姫に繋がるとは誰も信じる事のできない時代であったのだろう。
by dostoev | 2010-11-19 11:01 | 狐と瀬織津比咩
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