日出神社の後ろに聳える山を稜線伝いに延々と登っていくと、大森の頂に着く。
そして日出神社の方向は、確かに早池峰の方向を向いている。
途中に境界を越えてしまうので、もう遠野ではなく住田町となってしまう。
頂は、360度見渡せるようだが、生い茂った木々が邪魔だ。
登って来た方角を見ると、六角牛山が頭を出している。その左斜めの方向には
早池峰が聳えるのだろうが、見えなかった。
大迫の早池峰神社は、早池峰山を北とすると、社の後方が東南を示すという。
実は明治時代の神社庁の記録には、大迫の岳の早池峰神社とは「早池峰神
社遥拝所」と記録されていたという。こう考えてみると、遠野の早池峰神社は、
社・薬師岳・早池峰山の一直線のラインが崇拝されていたのだと考える。その
為に、岳の早池峰神社はそれを尊ぶべく建立された神社となったのであろう。
そして、この日出神社を中心とする七つの森の伝説もまた早池峰を尊び建立
されたのではないだろうか?